1970年10月25日、55歳の生涯の歩みを終えた母典子を記念ー1963年から1967年留学中両親からの手紙4通を再読 その4

1970年10月25日、55歳の生涯の歩みを終えた母典子を記念ー1963年から1967年留学中両親からの手紙4通を再読 その4

★母は、日本聖公会の教会で受洗した父のように目に見える形で信仰告白しなかったのは事実です。
 同時に、長男と三男の二人の牧師がこの母のもとで育てられ、牧師としての歩みの基盤を据えられたことも事実です。


★1966年冬母典子より
「武夫の手紙うけ取りました。
そちらは随分寒くなった様ですね。東京も今年は大変暖かい日が続いて居りましたが、昨日から急に寒くなり今日は各地で雪が降っている様です。家でもこたつを出してもぐって居ります。元気なのは美喜子(姪)で手を真っ赤にして飛びはねています。此の頃外に出たくて大人のはき物を足につっかけて出て行ってしまうので油断が出来ません。大分しゃべる様になりました。

其の後学校(ハーバート)のほうも慣れなくて大変の様ですが、もう先も見えている事ですし、しっかりやって下さい。体だけは気をつけて。只、君代さんが一人で働いているのではさぞかし大変だと思います。今度働いている家に越された様ですが、寒い処を通わないですめば大分楽だと思います。

先日の中川秀恭先生の本、早速お父さんに銀座へ行って貰いましたが、大分前のもので今はないと云われて帰って来ました。忠ちゃん(従兄弟、開成卒)に古本屋さんを聞いて貰いましたが、なかなかありませんで、東京の学校(JCC)を聞いてくれました処、図書館にあるとの事で吉枝さん(開成、JCC学友)に長期貸出しとして借りて頂き、昨日忠ちゃんが学校へ行ってくれました。樋口先生に会って貰う積りで居りましたが、先生は居られなかったそうです。長谷川さん(君代JCC同期)と云ふ方から借りて来たそうですが、アメリカへ送る事は話して置いてもらいました。二ヶ月だそうですが、延期の場合は又話して置いてくれるそうです。一度吉枝さんが借りた事になって居るそうです。

先日白木屋からお菓子等少々送ってもらいました。お餅をもう少し送る積りで買った様ですが、八キロまでなので送れませんでした。此の頃私が全然出られませんので(健康の理由)、お父さん達に頼むので段々おくれてすみません。クリスマスには間に合わないかも知れないとの事ですが、お正月におしるこ(缶詰)のまね事でもしてたべて下さい。
其の内ラーメン送りたいと思っています。カードはとどきましたか。余りよいのでない様ですがどうでしたでせう。オーバーお父さんに一寸見て来て貰いましたが、寸法があわなくては仕方がないだろうとの事です。スリーシーズンの物が多く出ているそうですが、そちらでは厚地でないと間に合わないのではないでせうか。前の寸法を次便で知らせて下さい。
母」