詩篇119篇の味わい  その11 詩篇119篇145-152節

詩篇119篇の味わい その11
詩篇119篇145-152節

145節
 「私は呼びました で・すべて・こころ
(心を尽くして)
答えてください・私に 主よ
あなたのおきてを 私はまもります」」

1行目の「私は呼びました」は、「呼び求めます」(新共同訳)、「叫ぶ」(フランシツコ会訳)とも訳されている。
1行目の「心を尽くして」については、詩篇119篇において、2、10、145節で用いられている。

146節
「私は呼びました・あなたを お救いください・私を
(そうすれば)私は守ります さとし・あなたの」

1行目文頭の「私は呼びました」は、145節の文頭のことばと同じ。繰り返して強調。

147節
「私は叫び求めます 前・夜明け 私は起き
(夜明け前)
あなたのことばを 待ち望んでいます」

1行目の「叫び求めます」は、「助けを願い」(フランシツコ会訳)、「助けを求めて叫び」(新共同訳)とも訳されている。
1行目の「夜明け前」は、詩篇において、次のように度々用いられていることば、5:3、55:17、59:16、88:13。
年を重ねることの、もう一つの恵みでは。 2行目の「待ち望む」は、詩篇119篇の詩人の特愛のことばの一つである事実は、明から。43、49、74、81、114、147節で繰り返し用いられている。これは、詩人自身の生活の実践からのことば。彼自身が待ち望む者として生きたことは確か。

148節
「開き続けます 私の目は 朝の見回り
(私の目は朝の見回りよりも)
思いを潜めます ことば・あなたの」

1行目は、訳しにくい箇所、「わたしの目は夜警の交代をながめる」(フランシツコ会訳)、「わたしのめは夜警に先立ち」(新共同訳)などの訳も。しかし、意味は明らかです。その中心は、真夜中に、主なる神の御前に、祈り、思いを巡らす恵みを指し示している。119篇では、62節にも。詩篇全体では、その代表的な実例として、130篇6節。
「思いを潜める」も、詩篇119篇の詩人特愛のことばの一つ、
15、24、35、47、70、77、92、143、174節。
「思い潜める」の別訳としては、「思いめぐらす」(フランシツコ会訳)、「心を砕きます」(新共同訳)。

149節
「声・私の 聞いてください したがい・恵み・あなたの
主よ したがい・決めておられること・あなたの 生かしてください。」

1行目の「恵み」(ヘブル語ヘゼド)は、聖書の中でも、最も大切なことばの一つ。人間と恵みの契約を結ばれる主なる神の真実(「失敗することのない愛」)。
2行目の「決めておられること」→「裁き」(新共同訳)。

150節
「近づきます 追い求める者 悪を
から・みおしえ・あなたの 彼らは遠く離れています」

1行目の「悪を追い求める者」の別の訳としては、「悪だくみをもって迫害する者」(新共同訳)。

151節
「(私に)近くおられます あなた 主よ
ことごとく・仰せ・あなたの まことです」

1行目の「近くおられます」については、参照詩篇34篇18節、145篇18節、イサヤ50章8節。

152節
「昔から 知る・私は から・あかし・あなたの
なぜなら とこしえから あなたは定めておられる・これらを」

新共同訳は、特徴ある訳、
「あなたの定めを見てわたしは悟ります
それがいにしえからのものであり
あなたによってとこしてにたてられたものだ、と」