奥多摩バイブルキャンプ場『礼拝の生活』再考その97

1972年8月6日
『礼拝の生活』97号

(巻頭言)「夏季聖会を前に
 
 奥多摩バイブルキャンプ場での今年のプログラムも、ワークキャンプをはじめとして、どんどん進んできました。
いよいよ今週は、日本新約教団の1972年度の夏季聖会が始まります。今月は11日(金)午後から13日(日)午後まで、例年より短期間です。それだけ集中した集会にと期待します。
 
夏季聖会を数日後に、今ここで最後の準備をしておくのは無駄ではありません。
まず夏季聖会との関連で、大学生、高校生、中学生キャンプの恵みを感謝し、新しい重荷をもって若い人々の救いと成長のために、教会また個人として祈り続けましょう。
 
大学生キャンプは、甲府キリスト福音教会の活躍が毎年目立ちます。山梨大学を中心に大学生への宣教が進められ、常に新しい人々が救いに導かれ、四年間の大学生活を終えて各地に巣立って行く人々が、それぞれの地でよい証しを続けていかれる恵みの事実、本当に感謝です。

他のそれぞれの教会でも地味な戦いが続けられています。
青梅からは、川杉兄と川口姉の二人の四年生が参加しました。大学生として最後の期間をどのように過ごすべきか、また卒業後の歩みに備えて意味深いキャンプであったと確信します。
しかし、私たち教会全体としては、さらに多くの大学生が導かれるように祈りたいのです。来年、二人が卒業して青梅から大学キャンプに参加者がなくなるようなことでは、私たち教会は、この地域に十分伝道活動をしていないと見ざるを得ません。そうでないでしょうか。

まず祈りましょう。大学生たちの救いのために。私たちが彼らにチャレンジし、彼らの求めをはっきり理解でき、みことばに啓示されている真理を正しく深く豊かに伝えることができるように。そして恵みに応答してキリストの戦士として生涯を献げる人々が起こされるように。
 
高校生キャンプには、粕谷姉、川口(秀)姉と彼女の友人の金子さんが参加されました。全体の参加者は十数名で数は少なかったようです。しかしとても幸いなキャンプであったと聞いています。今各教会では高校生への宣教にあたり一つの壁に直面しています。この壁にどれだけ真剣に直面できるかは、各教会の体質と将来をある程度決定するといっても過言ではありません。私たち青梅の教会でも高校生のために祈り続けてきました。
一昨年は青梅からは誰も高校生キャンプに参加しませんでした。昨年は川口(秀)姉が途中から参加できました。青梅の教会から高校生キャンプに参加したのは、実に数年振りであったわけです。今年も主は少しずつ私たちの祈りに答えてくださっています。高校生への宣教の壁を、私たちの内なる壁として、教会全体としてまた各自が対決することが許されるならば、主は一歩一歩さらに私たちを導いてくださると確信します。
 
中学生キャンプ、各地の教会から60名前後の中学生たちが集まってきました。数年前まで、最も宣教活動が困難であった中学生のキャンプが、数の上では一番祝されている事実は、私たちに事の重大さを訴えています。

十年前、各地の教会の宣教を通して、多くの高校生を主に導くことを許され、その後彼らをそれぞれの場にあって成長させてくださった主は、今、中学生をかえりみてくださっていると確信します。私たちが事の重大さをわきまえて、この恵みに十分に応答したいのです。
 青梅からも7名の三年生と2名の二年生が参加しました。三年生の数人は、3年間連続で中学生キャンプに参加しました。高校入試をひかえて、それぞれの大きな試験に立ち向かおうとしている中学生各自が、主イエスを個人的な救い主として受け入れ、彼らの生涯の最も大切な土台を与えられるように祈り続けましょう。そして青梅から一年生が参加していない事実をめぐる警告も見分けて。
 
以上のような大学、高校、中学キャンプとの関係の中で聖会を見るとき、私たちは現在から将来への展開と成長を見通しながら、聖会に出席することになります。現在の使命を直視しながら私たちに続く世代への期待と責任を実感しながら聖会に参加するのです。
 
今年の聖会の主題は「キリストの形成るまで」です。
そして主題聖句は「私の子どもたちよ。あなたがたのうちにキリストが形造られるまで、私は再びあなたがたのために産みの苦しみをしています。」(ガラテヤ4章19節)です。これは、私たち教会のあるべき姿を示す大切な目標を目ざすことを意味します。
特別講師として、リーベンゼラー中野島教会の後藤茂光先生が三回の集会でお話し下さいます。日本新約教団の外部から講師をお招きするのは、この数年間なかったことです。私たちの歩みが、日本新約教団として与えられた使命に忠実に答えていくものである限り、横の連帯が保たれる事実を知らされます。
 一昨年の主題は「唯一の君」でした。昨年は「御霊によって歩みなさい」。ですからこの数年間の聖会には、はっきりとした一貫した流れがあるのです。
いかにして、キリストの形成るのであろうか。それは、イエス・キリストを「唯一の君」、王の王、主の主として告白する信仰と御霊ご自身によって歩む信仰生活を通して、一歩一歩実現されていく恵みの戦いなのです。その戦いのさなかに、主は私たちを各地から集めてくださり、声と心を合わせて主を礼拝するように招いてくださるのです。備えつつ参加
したいものです。一昨年や昨年の聖会報告などもう一度読み直しながら期待して。

1970年から16年間の青梅キリスト教会時代、同じ青梅市にある奥多摩バイブルキャンプ場は、私たち夫婦の生活に深いかかわりを持ち続けていました。
特に君代は、毎年夏の期間、奥多摩バイブルキャンプ場の台所のお手伝いをするのが、定例でした。そこで多くの出会いと交わりを与えられたのです。
 数日前も、驚きと喜びのメールが届きました。
「・・・42年前の1970年、・・・夏のCSキャンプが奥多摩キャンプ場で行われた時、奥様が炊事棟のお手伝いをなさって、同じ年のイースターに結婚してこちらに来ていた妻も、手伝いに行って奥様にお会いしたそうです。先生と違って(失礼!)、とても活発で面白い方だったと懐かしそうに話しています。」42年前の出会いが、今新しい実を結びつつあるのです。

 奥多摩バイブルキャン場をとおしての小さな経験は、沖縄で伊江島中高生キャンプを10数年春夏継続して行く中で、豊かに用いられました。

 今や、奥多摩バイブルキャン場は名前も新しくなり、スタッフも施設も充実。
私たちは沖縄ほどではないにしても距離的な隔たりの中で、過去の恵みを回顧しつつ、
今後の展開を祈る僕仲間であり続けたいと願っています。