「波紋」事始「礼拝の生活」再考57

1971年9月19日
(巻頭言)『礼拝の生活』57

「第一回合同青年会の集いを終えて」

1971年9月14日、15日の両日、奥多摩バイブルキャンプ場で、横浜と青梅の合同の集いが持たれました。
使徒のメッセージに見る聖霊の力との主題のもとに、30余名の青年たちが集いました。それぞれの職場、学校から駆けつけて、夜8時に開会礼拝、私が受け持った第一回の集会が10時過ぎに始まるという、青年会ならではの実にユニークな修養会でした。
 
ローマ人への手紙1章16節とコリント人への手紙第一1章18節―25節に見るパウロの確信、また、使徒の働き7章と17章に見るステパノやパウロの宣教を通して、差別を超える神の力なる福音を、聖霊のダイナミックな力の現れとして学びました。

さらに現状に生きる私たちにとって福音と差別がいかなる具体的な姿をとっているかを、ともに考えました。そして差別を超越する福音の原動力としての聖霊の力を、父・御子・御霊の愛の交わりと神から人への最高の恵みとしてのイエス・キリストの事実を中心として、豊かに味わいました。
 
この集いを通じて、主の恵みの波紋の事実を、今一度深く体験させられ、感謝でした。
また、この集いが、青年会の兄弟姉妹の、自主的な、創造性に富んだ計画に従って実行されたこともとても大きな喜びでした。
今後も、各自の必要に応じた生きた集会が、現実のまっただ中で持たれ、主なる神が正しく礼拝され、礼拝の生活が生き抜かれるように願わざるを得ませんでした。
男子青年への宣教の課題、小作伝道の課題への願いと共に。

★合同青年修養会の主題が、「使徒のメッセージに見る聖霊の力」であった一事をもってしても、1971年当時の日本新約教団の聖霊ご自身に対する開かれた心の態度、明白です。
しかも「差別を超える神の力なる福音を、聖霊のダイナミックな力の現れと」受け止めている事実、嬉しいです。

 この集会で、私が忘れられない思い出があります。
それは、この集会の文集の題が、『波紋』であったことです。
この時以後の私の歩みにとって、「波紋」をめぐる思索と表現は、大切な宝となりました。
「波紋」と文字を刻む度に、夜10時半に開始した集会を思い出すのです、感謝。