パウロの手紙・ピレモンへの手紙 1章短さ・短編の魅力 その5 「ピレモンへの手紙に見る信仰共同体」
パウロの手紙・ピレモンへの手紙 1章短さ・短編の魅力
その5 「ピレモンへの手紙に見る信仰共同体」
「ピレモンへの手紙に見る信仰共同体」
[1]序
(1)3回にわたり味わって来ましたピレモンへの手紙.パウロがピレモンという個人に手紙を書いているように見えるけれども,実は2節で見たように,「あなたの家にある教会へ」と,単に個人宛の手紙でですあるばかりでなく,信仰共同体・教会に向けての手紙でもあります.
(2)三回目に意を注いだアリスタルコも,「兄弟・姉妹」,「同労者」ということばが示すように,信仰共同体の一員であり.そのような立場の彼の生き方を明示するのが,「よろしく」とのことばを,パウロをとおしてピレモンの家の教会へ送っている事実です.
そうです、ピレモンへの手紙に,キリスト信仰共同体・教会の豊かな姿を私たちは垣間見ます。その中で以下二つの点に限り,少し掘り下げ確認したいのです.
[2]「あなたの家にある教会」
(1)「あなたの家」
(2)「教会」
[3]祈られ,祈る信仰共同体・教会
(1)4節,「私は,祈りのうちにあなたがたのことを覚え,いつも神に感謝しています」.
(2)22節,「あなたがたの祈りによって,私もあなたがたのところに行けることト思っています」.
[4]結び
(1)ピレモンの家にある教会
・・・の家にある教会.教会は、神の家庭であり、各家庭のあるところこそ神の教会が存在する場.
(2)ピレモンへの手紙の最後25節は手紙の終わりであると同時に,手紙を受け取り,読んだ信仰共同体・教会にとっては,新たなる交わりの出発.どこに立ち進むのかを,あの時、あの場でピレモンの家の教会の一同に明示.
何時でも、どこでもピレモンへの手紙を読み、従い進む者一同に明示.
そして今、ここでピレモンへの手紙を読み、従い進む私たち一同に明示、感謝.
「主イエス・キリストの恵みが,あなたがたの霊とともにありますように.」(25節).
「主イエス・キリストの恵み」.これこそ,パウロが手紙を書き出すにあたり,彼の心を占めていた恵みの事実です(3節).そうです、手紙を下記続けていた間も,今閉じるにあっても心を占めていたのです.
そして今様ピレモンの家であるこの集会に、Ⅰコリント15章10節を自らの信仰の告白とするあなたと私の生活・生涯に注がれています、感謝じゃないですか.