忍耐と希望(ローマ8:25)の原点への旅 その2、ー8月16日(金)Second Fridayから8月20日(火)ー

忍耐と希望(ローマ8:25)の原点への旅 その2、ー8月16日(金)Second Fridayから8月20日(火)ー

1963年8月12日、ニューイングランドのGordon Divinity School・ゴードン神学院へ向け横浜を出航しました。
 2週間の船旅とニューイングランドに到着直後、ゴードンでの生活の日々の一口日記メモを、ちいろば聖書集会の矢倉(鮫島)光子姉が打ち出してくださいました。ゴードンは、私たち夫婦にとり、忍耐と希望(ローマ8:25)の基盤メッセージを心に刻まれた地であり、長男忍望の誕生を迎えた地。

 2018年6月下旬の日々、今、クリスチャントゥデイを中心に与えられている忍耐と希望(ローマ8:25)の旅を一歩深め、一段と進展する歩みに整えられるため、若き日の忍耐と希望(ローマ8:25)の原点への旅、その一口日記がそれなりに用いられるよう願う。

★8月16日(金)Second Friday
 タレント・ショウを見物する。中国文化、中国人に強く引きつけられる。彼等の中に流れている歴史、中国についてもっともっと知りたい。中国人のよい友達が与えられるよう願う。一番深いところを静かに流れ続けるような音楽の旋律に聞き入る。中国服の美しさ。
 日本よりも、自分は中国により内的近親を感ずるのは、どうした事であろうか。中国を勉強するような事がいつの日か実現出来るかもしれない。古代日本が中国から受けた影響が自分の体内に深く蓄積されているのであろうか?

 夜になってから、隣りのベットの老人と戦争中の事柄について話す。ハワイでの日本人としての体験は、その話が生き生きとしているだけ、自分にとっては有益であった。世界の中の日本、世界との関連における自分を、生きた現実として考察出来るのは喜ばしい事だ。自分、自己。

★8月17日(土)
 インドネシアから青年・・Philip Leeと楽しい時間を持つ。彼は中国系とは云え、他の中国人、例えば香港から来た多数の留学生と違っている。彼にとっては、常に祖国インドネシアが問題になり続けている。誰よりも真剣なその態度に好感がもてる。

★8月18日(日)
船中での聖日礼拝に出席する。フィリッピンからの留学生月説教する。彼は牧会の経験があると聞月く、全く自由に英語を使用している。50%も理解出来なかった。出席者中、日本人が目立ったのには考えさせられた。この現象をどう解釈したらよいのであろうか?寄居での礼拝、又他の多くの場所での教会の姿を考え合せる時、何か一方的に喜べないものを感じた。
 夕拝がなかったので、佐藤君と聖歌を歌う。Philip Leeと贈物の交換をする。彼からはインドネシア舞踊の絵を、自分は日本の扇子を記念の意味で送る。
 明日ハワイに着く喜びの為であろうか、隣りの野島老は、前後不覚になるまでウイスキーを飲んでいた。

★8月19日(月)、ハワイ
 早朝2時に起きて、甲板に行ってみたら、暗い海の外何物も見えなかった。4時過、五時近くになると、ハワイの明りが、暗やみの中に、見えだしてくる。大部分の人々は甲板にあがり、写真をとっている。特に、ハワイに帰る人々の目の輝きは、目立った。世界の楽園だと口々に云いながら。ヘンリー綾部先生の兄弟方の労によって、意味深いハワイの一日を過ごす。
 人種差別の感じられなかったのが何よりの喜びだ。ハワイで一日を忘れないであろう。東洋と西洋の交流地、不思議な場所だ。太平洋戦争の歴史的事実など、現在のハワイからは想像出来ない。しかし、全体的に、ハワイはアメリカの州だとの印象は強く我々に迫ってくる。

★8月20日(火)
 ハワイを離れて以来、潮流の変化の為か、船の揺れが目立つ。朝食の途中から気分が悪くなり午前中は寝たきり、昼食はついに食べる事が出来なかった。夕食の後少し元気なり、萩本さんと話しをする。雄弁家は人の話しをよく聞く事の出来る人だとの言葉が耳に痛くひびく。
 自分にとって、自己の弱さを知りつつ、その中で与えられた使命に向って歩み続ける事は、「忍ぶ」の一言ではなかろうか?希望を生み出すものであるから、パウロの心の状態が理解出来るような気がする。