敬意と感謝にあふれ水戸中央教会山本隆久先生の所見味読

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2018年5月1日
水戸中央教会の皆様へのクリスチャントゥディ問題についての私の所見
山本隆久

 最近、クリスチャントゥディのことが、一部、ネット上で話題となっています。教会の方々も知らないところから、本件についてお聞きになり、大変にご心配いただきました。申し訳ありません。ここで本件に対しての私の考えや立場を説明させていただきます。(以下は2018年4月29日に開催された水戸中央教会定期総会でご説明させていただいたものです)

クリスチャントゥディとは、2002年に設立されたインターネット上のキリスト教系情報誌です。韓国出身で、主に米国で活動している張在亨牧師が設立した学生宣教団体ACM出身者がこの設立に関与しています。この張牧師は、統一教会の幹部で、合同結婚式で、結婚しており、鮮文大学という統一教会の大学の教授であったことから、クリスチャントゥディは、統一教会のようなカルト団体ではないかという疑惑が持たれました。このことはまず、韓国で大きな問題となりましたが、張牧師は、自分がもと統一教会の幹部であったことを認め、悔い改める声明を出しています。また信徒に対して、張牧師が「来臨のキリスト」であると信じさせている疑惑が持たれました。これについても、張牧師は、公に否定しています。

 日本でも、この疑惑が救世軍の山谷少佐によって彼のブログに取り上げられ、クリスチャントゥディは、2008年に山谷氏を名誉棄損(損害賠償210万円)で訴えました。この文脈で、日本基督教団山北議長によって、クリスチャントゥディの疑惑が解消されるまで、関与を控えるようにという声明が出されました。2013年に東京地裁において山谷氏のクリスチャントゥディに対する名誉棄損が認められ、名誉棄損表現の削除と95万円の損害賠償の支払いが命じられ、確定しています。
 その後、クリスチャントゥディは、福音派系の教会の社員を多く採用し、インターネットにおけるキリスト教情報誌として発展をしてきました。
 しかし、日本基督教団は、この裁判によって、張牧師が統一教会の出身者であることが事実認定されたことに重きをおいており、疑惑が解消されていないという立場をとっています。
 2018年1月27日に石橋教団議長により、再度、このクリスチャントゥディを含む張牧師グループとは一線を画するという声明が出されました。
 私の友人である臼田牧師と溝田氏は、2年ほど前から、クリスチャントゥディは、カルトであるということを証明しようとして調査をしていましたが、カルトではないという結論に至ったことを知らせてくれました。
 また議長声明の基礎となった2017年10月23日に開かれた統一教会問題全国連絡会において公開された、クリスチャントゥディがカルトであるということの証拠ビデオの内容を伝え聞いて、私は、根拠が薄弱であると考え、石橋議長に本件について慎重な判断を求めるメールを出しています。
 2018年2月23日、教団事務所会議室において、クリスチャントゥディに対する石橋議長声明に関する説明会が行われました。脱会者の証言ビデオが証拠として示されましたが、たった一人の証言者で、しかも2006年以前にクリスチャントゥディを辞めた方でした。疑惑を持たれて以降、クリスチャントゥディもそれを払拭するように努めていますから、2008年の山北議長声明以後のクリスチャントゥディの状況を証明する必要があると考えます。また「張牧師を来臨のキリストだと私は思った。他の人々も同じように思っていたと思います。」という証言の内容で、説明会場にいた、この証言者の同僚から、「私はそうは思っていなかった」と否定されています。それに対する日本基督教団側からの反論はなされませんでした。
 また石橋議長声明を受けて、クリスチャントゥディの7名の社員の方々が、知らずに疑惑の団体に加担したことを謝罪する文書を出し、クリスチャントゥディの経営状態を非難しました。しかし、給与の遅配等はありますが、支払拒否というようなことはないということでした。また彼ら自身、「クリスチャントゥディの職場は楽しく、カルト的なところはなかった」と、証言していました。
 私は、新聞やテレビなどのメディアは、その報道の内容によって判断されるべきだと考えます。たとえば、イスラム教徒や仏教徒キリスト教の情報誌を作っても構わないでしょう。クリスチャントゥディの提供する情報は、福音的に健全で、カルト的な内容の記事はありません。それは私の友人たちも同意見です。日本基督教団も記事内容について批判していません。
 またイエス・キリストの福音を伝えている限り、排除したり、やめさせようとすることは、イエス様の教えに反すると考えます。
 張牧師は、イエス・キリストへの信仰告白を公にし、「来臨のキリスト」などと、教えていないと否定しています。にもかかわらず、これを「嘘の告白だ」とすることは、公の立場としてなすべきではないと考えます。そのためには、彼らの告白が嘘であるというしっかりとした根拠がなければ、単なる誹謗中傷となってしまいます。あの残虐な江戸時代の踏み絵ですら、嘘でも踏めば許されたのです。私は、教団のこの態度に当惑しています。

以上のような経緯と理由で、私は、今回の石橋議長の声明に関して疑義を表明しているのです。