安ご夫妻、共同住宅定礎式 2005年 5月28日(土) 『成長して、愛のうちに建てられる』 エペソ4章15、16節

安ご夫妻、共同住宅定礎式
2005年 5月28日(土)
『成長して、愛のうちに建てられる』
エペソ4章15、16節
[1]序
(1)祝い、めでたいな
私どもは、今ここに安ご夫妻の共同住宅定礎式のために集っています。この集いは、喜びのときであり、また心からの祝いのときです。
今日の機会は、人と人の絆(きずな)が一段と堅くされるときなのです。では、人の絆とはなんでしょうか。聖書は私たちに語りかけてくれます。
「 喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい 」(ローマ12章15節)。
喜ぶ者といっしょに、その人の喜びを我がことのように喜ぶのです。しかしそればかりではありません。たとえ人生の旅路において泣くようなとき、ーそして少なからずそのような経験を私たちは経験するのですーそのときには、泣く者の涙が私の涙と溶け合うように泣くのです。これこそが人の絆だと聖書は教えています。ですから、この定礎式は、確かに人と人の絆を堅くする恵みのときなのです。

(2)職人衆のために
定礎式のもう一つの目的は、実際の建築の仕事を進めてくださる、ご一同の上に祝福と上よりの助けをお祈りするためです。
聖書は、「手の業」について、これを大切なものとしています。どのような意味で、「手の業」を重んじているかと言えば、「手の業」は、「心の業」と教えている、この一点です。

[2]家を建てる
家を建てるに当たり、普通三者の調和、信頼関係が大切だと考えられます。そうです。「主」・所有者、設計者、現場の職人衆の三者です。今日は時間の関係で、職人衆に的をしぼりましょう。
(1)「主」・所有者

(2)設計者

(3)現場の職人衆
聖書は、「建てる者の働き」と言い切ります。手の業は、心の業。また心の業は、必ず手の業として現れる、その以外の道はないのです。ですから、「建てる者の働き」を聖書は大切にしています。人間の努力や、企てや助言など一切(いっさい)の積み重ねが必要なのです。建築に携わるひとりひとりが職責を忠実に果たすということは、実に称賛に値する美徳なのです。

[3]「成長して、愛のうちに」
ところで、先程お読みし、お手元のプログラムに記されてあります、聖書のエペソ4章15、16節には、普通家を建てる際には、聞き馴れない、「成長して、愛のうちに建てられる」とあります。少しの時間ではありますが、「成長して」と「愛のうちに」について意を注ぎたいのです。
(1)「成長して」

(2)「愛のうちに」
家族の営みのために、家は本来建てられるのです。家族あっての家です。どんな立派な建物でも、空き家であれば話になりません。美しい立派な家で、家族のいがみ合いが続くなら、何とも寂しい限りです。ですから、立派な家にそれに相応しい家庭の営みがなされるように心から祈るのです。

[4]結び
(1)職人衆ご一同のために祈りましょう。その貴い手の業、いや心の業が忍耐をもって進められるように祈ります。東京の下町出身の私。職人の方々への尊敬を両親は小さいころから教えてくれました。ですから、今職人衆のため祈るのは、小さくない喜びなのです。

(2)最後に、聖書では、もう一人の「主」を指し示しています。
「主が家を建てるのでなければ、
建てる者の働きはむなしい。」

「見よ。子どもたちは主の賜物、
胎の実は報酬である」(聖書 しへん127:1、3)。