ルカの福音書味読・身読の手引き・その70

☆沖縄で聖書を、聖書で沖縄を読む。
首里福音教会、その主日礼拝を中心にした営みの報k告

「ザアカイ」
ルカの福音書19:1−10節

[1]序
 今朝はルカの福音書19章に進み、ザアカイの記事を味わいます。
これはルカの福音書だけに登場する記事です。ガリラヤからエルサレムへの旅(9章51節以下)を締めくくる大切な位置を占めていますし、18章24節−27節に見る「金持ちが神の国に入る」をめぐる課題に答える実例と見ることもできます。

[2]出会いの備え
◆ザアカイ(ザカリヤギリシャ語風の呼び方、正しい者の意)
(1)エリコの町、税関があった所。

(2)「取税人のかしらで、金持ち」(2節、参照15章1、2節)。

(3)ザカリヤの願い、困難その中で(3、4節)。

◆主イエス,ザアカイの願いに先立って
(1)「イエスは、エリコにはいって、町をお通りになった」(1節)。

(2)「人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです」(10節)。一匹の失われた羊を捜し求める羊の牧者として(15:4−7)。

[3]出会い
(1)主イエスの名指しの呼び掛け(5節)。
 ①「ちょうどそこに来られて」、偶然ではなく出会いのための備え。

 ②「ザアカイ」、名指しの呼び掛け、主イエスに知られているザアカイ。
ザアカイの求めを一つの機会として用いなさる。
  
 ③「あなたの家に泊まる」、ザアカイの「イエスがどんな方か見よう」(4節)との願いを越えて。

(2)ザアカイの応答、「急いで降りて来て、そして大喜びでイエスを迎えた」(6節)。
主イエスの命令に喜びをもって従うザアカイ。

(3)人々のつぶやき(7節)。
 
(4)ザアカイの主イエスへの申し出。
 主イエスとの出会いは、ザアカイの生き方の方向転向、新しい生活の始まりへと導く。要求されていること(参照レビ6章1−5節)以上のことをもって社会に対して証。

(5)主イエスのザアカイへのことば
 主イエスはザアカイの悔い改めを喜ばれる。
 「きょう、救いがこの家に」(参照2章11節)。
単にザアカイにとっての救いだけでなく、家族にとっても恵み。ザアカイの家族に対する使命。主イエスを家に迎える祝福。
 アブラハムの信仰と行為にあずかる、アブラハムの子ザアカイ。

[4]結び
(1)一人一人を捜し求められる主イエス

(2)一人一人の願いを機会として用い、願いをはるかに越えて導きくださる主イエス

(3)主イエスとの出会いの祝福。その広がりが社会生活において、家庭において。