ルカの福音書身読の手引き・その22

☆沖縄で聖書を、聖書で沖縄を読む。
首里福音教会、その主日礼拝を中心にした営みの報告。


「12使徒
ルカの福音書6章12節〜19節

[1]序 
先週のイースター礼拝感謝でした。午後の洗礼式、天候も守られ幸い。
特に90歳を過ぎた稲福のおばあちゃんが、施設の職員方の協力により、海岸での洗礼式に参加なさり一同驚き、喜びに満たされました。車いすに乗られ沖縄の海に見入る姿を拝見しながら、ご家庭の事情反対で自らは洗礼を受けることができなかったおばあちゃんの真摯な信仰告白に触れる思いでした。
今週水曜日1992年4月29日は、日本福音キリスト教会連合の設立総会。こうした中で、今朝もルカの福音書(6章12〜19節)を読み進めて行きます。
主イエスに対して宗教指導者たちが激しい反対をなす中で、主イエスご自身が祈りつつ多くの弟子たちの中から十二使徒を選ぶ記事です。

[2]主イエスの祈りの中で。
(1)これまでもルカは、主イエスの祈りについて記してきたした(4:42,5:16)。12節に、「イエスは祈るために山に行き、神に祈りながら夜を明かされた」とあり、父なる神の導きを求めつつ十二使徒を選ぶことがいかに重大な決断であるか示しています。 ペテロ、アンデレ、ヤコブヨハネ(5:10,11)やレビ(マタイ)の場合に見るように主イエスは準備をすでに進めてこられました。ここでは父なる神の導きにより十二使徒の選びを熱心に求めておられます。十二使徒の選出は決して衝動的になされたりはしないのです。

(2)「使徒」とは、特定の使命をもって派遣される者であり、派遣した人と同様に見られていました。十二使徒は、ローマに対し強硬な態度を主張する熱心党に属したシモンの例が示すように、多様な人々を含み、皆一方的な恩恵の故に選ばれたのです(ヨハネ15:16)。
 
使徒」と選ばれるのは、地上でのイエスの歩みを共にし、主イエスの言動の証人たち(使徒1:21〜26、10:39、13:31)。また復活された主イエスにより宣教の使命を委託された人々です(24:48、使徒13:31)。

[3]多くの弟子たちの群れや大勢の民衆(17〜19節)
(1)この箇所の役割。20節以下に見る主イエスの教えがどのよう場所、状況でなされたかを示しています。選ばれた使徒たちをはじめ、大勢の弟子たちやおびただしい民衆を相手に主イエスは教えられたのです。

(2)地理的記載。「ユダヤ全土、エルサレム、さてはツロやシドンの海べから」(4:14、37、5:17)。主イエスの宣教の広がり。

(3)主イエスの教えとわざ、18、19節。

[4]結び
(1)主イエス使徒となるべき人々を召しだし、備え訓練し派遣。

(2)主イエスご自身選びをなす際、このように熱心に祈りつつ慎重になされています。私たちにはもっとその必要があり、衝動的にことを進めて行くことを避けるべきと教えられます。

(3)ユダについて。選ばれた者が自己満足しないように警告。
 ある宗教改革者は、「教会の中心となるような人々が堕落しても、信仰者の中で最も小さいと見られている人々が必ず信仰に堅く留どまるように」と、将来のつまずきに対する備え励ましの面から。