ヨハネの手紙第三

1章の聖書各書③
ヨハネの手紙第三               2012年年7月22日(日)午後
聖望キリスト教会 聖書味読・身読会

[1] 序
(1)手紙の発信人と手紙の受取人
「長老から、愛するガイオへ」(同1節)
ヨハネの手紙第二同様、発信人と受信人を明記しています。

○まずアウトラインを手掛かりに、短い手紙を一人一節分担で通読しましょう。
アウトライン
1.1,2節 挨拶
2.3,4節 真理に対する忠実さ
3.5−11節 持て成しの重要性
  5−8節 積極的な励まし
  9−10節 否定的な例
11節 善対悪
4.12節 デメテリオに対する推薦
5.13,14節 結びと別れ

○通読して、特に心に留まった箇所、事柄、ことばがあれば、一言。なければ、パス。

[2]「愛する者よ」 
 特に受信人について、「愛するガイオへ」と呼び、両者を堅く結ぶものは、主イエスにある愛の絆であることを明らかにします。
 さらにその直後に「私はあなたをほんとうに愛しています」と強調しています。

 また「愛する者よ」と短い手紙で3回(2、5,11節)も繰り返し呼びかけています。
 ヨハネ福音書に生き生きと描かれている主イエスの弟子たちに対する愛(ヨハネ13章1節、「さて、過越の祭りの前に、この世を去って父のみもとに行くべき自分の時が来たことを知られたので、世にいる自分のものを愛されたイエスは、その愛を残るところなく示された。」)が、主イエスの模範に従う弟子たちを通して(
ヨハネ13章14,15節、「それで、主であり師であるこのわたしが、あなたがたの足を洗ったのですから、あなたがたもまた互いに足を洗い合うべきです。
わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしはあなたがたに模範を示したのです。」、波紋のように広がって行く様を見ます。

[3]善を見ならいなさい 
 この手紙においても、愛と同様に、もう一本の柱である真理に焦点が当てられています。
 愛に根差すガイオが同様に、「真理に歩んでいることほど、私に大きな喜びはあいません」と、長老ヨハネは語っています。

 愛と真理のうちに歩むガイオが、直面している課題。それは、「悪を見なわないで、善を見ならいなさい」(Ⅲヨハネ11節)と、実際的なものです。

 彼の目前には、二人の人物がいます。
一人はテオテレペス。
「彼らの中でかしらになりたがっている」(9節)と、彼の問題は、「しかし、あなたがたの間では、そうでありません。あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。」(マルコ10章43節)と明示されている道から逸脱してしまったことにあると長老ヨハネは直言しています。

 もう一人はデメテリオ、「みなの人からも、また真理そのものからも証言されています。私たちも証言します」(12節)と言われている人物です。
 この両者を目にしながら、ガイオは、「悪を見なわないで、善を見ならいなさい」(Ⅲヨハネ11節)と勧めを受けているのです。

[4]集中と展開
(1)集中
 愛の場合(ヨハネ13章①,14,15節)と同様、真理の場合も生活・生涯において真理に従う人格・模範を通して拡がる事実を見ます。
 
(2)展開
この手紙があの時、あの場所で最初に読まれたときも、今この時、この場所で読まれる時も生じる恵みの事実。
そして何時どの時も、どの場所で読まれる時も、聖霊ご自身の助と導きにより、キリスト者・教会を生み出し成長させるため、この小さい1章だけのⅢヨハネは、聖書の掛け替えのない一部・公同書簡として用いられているし、行くのです、感謝。

ヨハネからことばの花束。
キリスト者・教会の交わり、主イエスにあって「私はあなたを本当に愛しています」(1節)。
②全人格的祈り、「愛する者よ。あなたが、たましいに幸いを得ているようにすべての点でも幸いを得、また健康であるように祈ります。」(2節)。
③手紙の活用、「あなたに手紙を書き送りたい」(13節)。