月桃通信No8 2018年11月6日    石原つや子  「国家の罪と沖縄の受難」  

月桃通信No8 2018年11月6日
                                    石原つや子

「国家の罪と沖縄の受難」

★沖縄との直接の連絡感謝!

不義によって真理の働きを妨げる人間のあらゆる不信心と不義に対して、神は天から怒りを現されます。(新約聖書ロマ書1:18)
工事再開――9月30日玉城デニー新知事誕生を共に喜び祝い踊ったあの日から、二つの台風襲来が前途の苦難を予告していたとは言え、こんなにも早く辺野古工事再開の日が来るとは……あまりにもひどい国の仕打ちに言葉を失いました。知事選に政府あげて賭けていた安倍官邸は敗北するや否や、那覇市長選も投げ出して、沖縄の民意を一顧だにせず法律も無視して沖縄潰しにかかりました。国は行政不服審査法を悪用して撤回の効力の「執行停止」の申し立てを沖縄防衛局から国土交通大臣に出させ、10月30日、石井大臣は「執行停止」の申し立てを認めました。三年前の承認取り消しの時も執行停止だけをやって工事を進めながら審査請求の決定は棚上げしてきました。今回も民意を握りつぶして工事を進め、既成事実を積み上げて諦めさせようとしています。玉城デニー知事は〝自作自演の茶番〟だと非難、抗議して話し合いをしようとしていますが、双方の目的が真逆なわけですから話し合いは平行線だと思います。故翁長前知事が命がけで「撤回」し、デニー知事を大差で誕生させたにもかかわらず一顧だにされず、国に潰されていく沖縄を思うと悔しくて悔しくて、抗議の声を上げ、叫べば叫ぶほど悲しみが心の底に沈んでいき、涙が溢れてきます。みんなみんな泣いています。それでも私達は、デニー知事を支えて新たな決意で立ち上り闘いを始めました。11月3日には大雨の中、千人余りがゲート前に結集して力強い抗議集会を持ちました。11月1日静かだった大浦湾は再び、撤去されていたフロートを張りめぐらす工事から始りました。カヌー隊の仲間達は、以前にも増して勇ましくカヌーを漕ぎ出し、抗議船を出して活動を開始しました。然し、海は生きもの、波が高く、防衛局が予定していた通りに作業は進みません。また埋め立て用土砂は海路での搬入と決められていますが、積み出し港である本部町塩川港は台風の影響で港が破損しており、復旧には今年中を要するため、塩川港からの土砂搬出は出来ないとのことで、本部町は防衛局の申請を拒否しています。こんな所にも台風が味方してくれたのでしょうか。少しの時間の猶予がありそうです。
国は辺野古のことを絶対に新基地とは言わず、普天間の危険性除去のための代替基地だと言って偽っていますが、デニー知事も私達も辺野古新基地以外の言い方はしません。それが真実だからです。キャンプシュワブと埋め立てられた新基地は巨大強力な全く新しい機能を持った軍事基地となります。造られる弾薬庫には秘密裡に核も持ち込まれるでしょう。軍港の機能も備えられたこの巨大基地は辺野古―高江―伊江島と一体化された基地となり、豊かな沖縄の宝であるやんばるの自然体系を破壊し、北部住民の生活をも破壊していきます。青く澄んだ沖縄の海も基地からの有害物質により汚染され、魚、もずくも安心して食べられなくなります。目に見えない環境汚染は知らない内に少しずつ住民の健康に影響を与えるでしょう。また宮古、石垣など先島への自衛隊配備は着々と進められ憲法をないがしろにした武力によって立つ国、戦前回帰が日米安保の名の下に着々と進められているのです。
中国との協調融和、北朝鮮との対話が始まろうとする今、平和に逆行した軍事力強化に何故日本は突き進むのでしょうか。そのためには沖縄を犠牲にしてもかまわないとする「琉球処分」が今も尚なされていることを知って下さい。私達は隠されている事実を正しく知ることから始めなくてはなりません。アメリカと日本のもくろみとは何でしょうか。沖縄の地方自治を握りつぶし、法律を変えてまで沖縄を支配する日本とは、本当に私達の国なのでしょうか。故翁長前知事は「日本を取り戻す」という中に沖縄は入っているんですか、と安倍首相に問いかけています。巨大な軍需産業による化け物のようなエネルギー、人間の造り出したありとあらゆる物と化学兵器、化学物質、機器、産業、経済、様々なシステム、限りない人間の欲望と支配欲が止めようもなく拡大してそれらが今、人間を逆襲しているように私には見えるのです。人間は自らが造り出した物により、格差と戦争を生み、自ら滅びに向っているのでしょうか。

月も星もあなた(神)が配置なさったもの。そのあなたが御心に留めて下さるとは、人間は何ものなのでしょう。人の子は何ものなのでしょう。あなたが顧みてくださるとは。(旧約聖書 詩篇8:5)

私達は新基地を造ることをやめて本来の人間にもどりましょう。やめるためには、本土の人々の民意が高まり、本土の半数以上の人々が安倍政権NO!憲法改正NO!沖縄辺野古新基地NO!を表明して沖縄と共に戦って下さる他にはありません。異常な安倍政権の下で沖縄の人々だけで日米両政府相手にやめさせることは不可能に近いと思います。どうか沖縄を切り捨ててきた歴史を学び、痛みを共有し、この国、そして世界の平和のために共に闘って参りましょう。〝もの言わぬ民は滅びる〟と言います。声を上げる人々でこの国がいっぱいになることを切に願っています。

➀過去は泣きつづけている――。たいていの日本人がきちんと振り返ってくれないので。
過去にきちんと向き合うと、未来にかかる夢が見えてくる。いつまでも過去を軽んじているとやがて未来から軽んじられる。過去は訴えつづけている。(井上ひさし)

➁世界に変化をもたらしたければ、自らがその変化になれ。(マハトマ・ガンジー

➂真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず村を破らず人を殺さざるべし。(田中正造)

今、先達の真の言葉に耳を傾け、神を畏れて謙虚になる事が求められています。隣国の人々を痛めつけながらすべてをお金で解決済とするこの国の政治家達の発言に人間の心が見えないことを悲しく思います。
◎殺すなかれ
◎平和を作り出す者は幸いである その人は神の子と呼ばれる。
これがすべてです。平和は人を愛する足元にあります。この世界が人間らしい真の人間の顔でいっぱいになりますように祈ります。