留学中(1963年―1967年)、父泰二、母典子から手紙、先のものに加え、さらに6通、その6

留学中(1963年―1967年)、父泰二、母典子から手紙、先のものに加え、さらに6通、その6

★矢倉光子姉が打ち込んでくれました、留学中(1963年―1967年)の両親からの手紙さらに6通、感謝

☆1967年夏 父泰二よりの便り
「御便り拝見致しました。
入院中の母も毎日毎日まだ来ないかと待ち続けてゐましたが、君代さんも肥立も良好、又無事卒業を知り、大変喜んでゐます。
 昨16日に寄居の教会に行きお金を御預け致し送金依頼してきました。ジーンズ、プライス両先生は山中湖にキャンプでお留守でしたが、留守の方に依頼伝言をお願ひ致して置きました。両先生が20日に帰京するそうです故、左様御承知下さい。
 母の病状ですが、22日に手術を予定致してゐましたが、ずっと何年来の主治医が自分で開業致しましたので、新任の医師が東大病院より専任致し、大手術なので病因をもっと検査して確信をもってから執刀致したいと腎臓だけでなく、7〜8年前に胃の手術后の跡や、すい臓、肝臓などレントゲンで検査を行った結果、現在の處危険を犯して大手術を行ふのはと延々になって居ます。近日中に東大より医師を迎え内科的に全般検査してもらう予定です。目下の處新しく発見された薬を注射してゐますと熱もなく、食欲も出て元気ですが、注射をせずとも熱がなくなればと願ってゐます。
 美喜子は送ってきた洋服を着てアメリカの伯父チャン、伯母チャンにもらったと得意になり皆さんに見せてゐます。
 恵美子も先達自動車の免状を取る事ができ、目下免許証の交付待ちの状態です。
 三郎も試験も終り、発表待ち。相変らず成績はよくありません。
 私本人も糖尿病のためか歯が全部悪く総入歯の治療に医師通いをして居ます。
 君達三人の一日も早く帰国を家中、指折り数えて待ってゐる毎日です。君代さんの無事出産を祈って居ます。では御返事迄
武夫 君代 殿
泰二拝」