留学中(1963年―1967年)、母典子からの手紙、先のものに加え4通、その1

 留学中(1963年―1967年)、母典子からの手紙、先のものに加え4通、その1

★1963年8月末
 航海中は体の方は何ともありませんでしたか。
大分疲れてゐた様でしたから心配して居ります。あんなに大きな船ですからそんなにひどくゆれる事もないとは思ひますが、広い太平洋の真只中では木の葉の様なものでせうから天候だけが心配です。

 佐藤さん(日本クリスチャン・カレッジ1年下級、共にゴードンへ)も元気でしたか。本当に道連れがあって安心しました。佐藤さんのお母さん達も見えてゐたと思ひますが、とうとうお目にかかれず残念でした。

 貴方の出発した後も今の処元気にして居ります。今月十五日に小川さんは岩手に帰りました。私も一生懸命養生して帰るまでは頑張る積りです。
初めての土地で何かと気をつかう事と思ひますが体だけは気を付けて無理をせぬ様に。お金の方も余り心配してそちらで無理せぬ様にして下さい。少し早目に云って来てくれれば何とかなると思ひますから・・・・・・
 別便の様にお餞別を頂いた人の名を書いて置きますから順々にでもひまを見て礼状を出して置いた方がよいと思ひます。ジーン先生(埼玉寄居で、私が開拓伝道をお手伝いした宣教師)の御家族にも随分お世話になる事と思ひますが、よろしく。
 衣類夏と冬とに分けて整理したらよいと思ひます。トランクの中だなも持って行かれて整理するには便利と思ひます。
 お父さんも心配して居りますから着いたら早速様子知らせて下さい。では又
母より 武夫様