民数記の味わいのために

民数記の味わいのために
1]大きな流れ・構造
(1)シナイからカナンへの旅の備 1章1節-10章10節
◆1章1節(出エジプト第2年2月1日人口調査の命令)
  第1回人口調査、宿営及び行軍における配置、レビ人の役割 1章-4章
 内面的な備え 5,6章
 指導者たちのささげ物、レビ人の聖別、過越祭 7章1節-9章14節
 神の導きのしるしと合図 9章15節-10章10節

(2)シナイの荒野からモアブの荒野まで 10章11節-22章1節
◆10章11,12節 シナイ出発
13章25,26節 カデシュ到着
  シナイからカデシュ、離反と危機 10章11節-14章45節
 約37年、荒野の旅 15-19章
◆20章1節、ツィンの荒野、カデシュに。
 ツィンの荒野からモアブの荒野へ 20章1節-22章1節
◆22章1節、モアブの草原で宿営

(3)モアブの荒野にて 22章2節-36章13節
  バラムをめぐる出来事 22章2節-25章18節
 カナン入国の準備 26章1節-36章18節
イ。第2回人口調査 26章
ロ。女子の相続規定 27章1-11節
ハ。モーセの後継者ヨシュア 27章12節-23節
ニ。礼拝と誓いの規定 28章1節-30章16節
ホ。ミデアンとの戦い 31章
ヘ。ヨルダン東岸の分与 32章
ト。出エジプト以来の旅 33章
チ。カナンの境界線 34章
リ。レビ人の町、逃れの町 35章
ヌ。女子相続人の結婚規定 36章

[2]カデシュでの出来事
 カナン入国を直前にして、斥候(せっこう、敵の様子を探るための少数の兵)を派遣(12名)
13章17-20節 派遣にあたってのモーセの命令
21-24節 偵察(ていさつ)の状況
25-29節、斥候(せっこう)たちの報告
報告自体は事実に基づくものであり、問題はない。問題は、31節、32節。神の約束(ことば)にもかかわらず、自分たちの見たことだけを頼りにして、カナンの地に入ることは不可能と断定。信仰(神の約束・ことばは真実)の欠けと恐れ(創世記3章の場合参照)。


カレブ 13章30節、14章6-9節。
神の約束、14章24節、カレブ40歳→成就カレブ85歳、ヨシュア記14章6-14節。
事実判断と価値判断
何が事実かなにが推測(すいそく)、意見かの区別。
何が分かり、何が分からないかの区別、判別が大切。
すべては分からないが、何もわからないわけではない。
木下是雄、『理科系の作文技術』(中公新書)、第7章、「事実と意見」を参照。