民数記味読・身読の手引き その34 民数記34章 民数記32章,33章欠

民数記味読・身読の手引き その34 民数記34章
民数記32章,33章欠

民数記34章。
いよいよ、ヨルダンを前にして約束のちに向かう最後の場面。「あなたがたがカナンの地にはいるとき」(2節)
(1)1-15節、カナンの地の境界線
①3-5節、南の境界
「塩の海」(3節)→「死海」の南側

「海」(5節)→地中海

②6節、西の境界
地中海にそって南から北まで。

③7-9節、北の境界

④10-12節、東の境界
約束の地の境界線を、南、西、北、東と。
約束の地の範囲は、現在の地図では確認できない所もある。南の境界までは、後にユダが占有するが、西側をずっと北まで占有したことはなかった。イスラエルの歴史のどの時代にも、ここで示されている範囲には達していない。それでこれは一種の理想の像であり、必ずしも文字通りの意味と考えられない可能性が強い。

この範囲が、今日、国際政治とかかわりで大きな課題となっている。この箇所の解釈をめぐり、緊迫した問題が引き起こされる。
こうした中で、幾つかの点を注意。
イ。まず地理的なこと、地上の具体的なことは過ぎ去ったこととして、一切考えない(いわゆる霊的教訓のみを教えているとのみ受け取る)とすることは、できない。

ロ。また文字通り受け取るとの態度にも、注意しなければならない。この箇所は、当然現在のイスラエル国家について語っているのではないのだから。もともとどのような方法で、誰に語られたのかをよく注意する必要。

ハ。一部を文字通り、一部を比喩的に受け取ることも、問題がある。
この箇所を解釈するに当たっては、聖書全体の光の中で理解されなけらばならない。
主なる神のご統治は、全地にわたり、地理的な制約はない。
神の国は、場所と言うより、神のご統治を受け入れる人間において、またそのような人間を通して現実となる。
真のイスラエルには、どこにいても主なる神はご自身を現し給う。国土を離れていても、神のご統治から切り離されているわけではなく、依然として主なる神の御前に生かされている。

また約束の地に住んでいると言っても、心が神から離れているなら、神のご統治から脱しているとも言える。

(2)16-29、土地分配の責任者。
①16、17節、全体の責任者
祭司エルアザルとヌンの子ヨシュア

②各部族ごとに、族長が責任者として立てられ、エルアザルとヨシュアに 協力する。