民数記味読・身読の手引き その22 民数記22章 

民数記味読・身読の手引き その22 民数記22章  
民数記22章

(1)22章の位置。
22ー24章に及ぶ、バラクとバラムの記事。三章に及ぶ長さが、まず印象的。
イスラエルの荒野の旅において、シナイ、カデシュ、そしてこのモアブは、三つの節ととも言うべき場所。
モアブの草原、約束の地に入る最後の段階での最初の事柄として記されている。

6節のことばと創世記12章3節。
後者のことばの成就として、今約束の地に導かれようとしている。このとき、同じことばをもって、対抗する力。
「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、
あなたをのろう者をわたしはのろう。
地上のすべての民族は、
あなたによって祝福される。」(創世記12章3節)。

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 「どうかいま来て、私のためにこの民をのろってもらいたい。この民は私より強い。そうしてくれれば、たぶん私は彼らを打って、この地から追い出すことができよう。私は、あなたが祝福する者は祝福され、あなたがのろう者はのろわれることを知っている。」(民数記22章6節)

(2)美しい調和もって綿密に構成。三が鍵。
バラムを迎える三段階、4、15、36節。

バラムの主なる神との出会い、9、20、22節。

ロバが御使いを見る、23、24、26節。

バラムがイスラエルを祝福する、23章7ー10節、18ー24節、24章3ー9節。

(3)バラムについての旧約聖書の言及。
ヨシュア記24章9,10節。
士師記11章25節。
ネヘミヤ13章2節。
ミカ6章5節。

(4)新約聖書に見るバラムについての評価。
Ⅱペテロ2章15節
ヨダ11節
黙示録2章14節

 貪欲や異教の祭儀と不道徳とのかかわりで紹介。
このような否定的な人物が、イスラエルの約束の地入国最後の段階でイスラエルを祝福していることを描いている意図は。
それは、主なる神の約束の成就は、いかなる人物も妨げることができないことを示すため。アブラハムに与えた約束の確かさを示している。

(5)バラムは、主なる神がお許しになったことしか語れない。
 22章12,20,35節。
23章3,12,17,26節。
24章1,13節。

 バラムの悲惨な最後、31章。

(6)主なる神は、人間ののろいを祝福に変えることができる。
申命記23章4,5節。
ネヘミヤ13章2節。
詩篇109篇28節。