留学中両親からの手紙9通 その2

留学中両親からの手紙9通 その2

★ちいロバ聖書集会の矢倉光子姉が、留学中受け取った両親からのお手紙9通データ化してくれました。

☆1965年春 母典子寄りの手紙
「いよいよ結婚式も迫って忙しい日を送っている事と思います。荷物はとどきましたか。気をもんでいますがどうする事も出来ません。無事に早く着いてくれる様に祈っています。家の方は越せる様になりましたか。色々足りない物だらけで最初は不便でしょう。此の二三日、日本も急に暖かくなり上野の桜も七分咲き位との事です。子供達の学校も始まり、又朝起こすのに大騒ぎです。航空便で送った招待状は着きましたか。こちらで出した分も一通も帰って来ないから、みんな着いたのだろうと安心して居ましたが考えてみると在ボストンで印刷してあるのですから、当名の人がいない場合そちらへ廻るのかとも思えますが、ひかえてあった人達の住所は間違いはなかったでしょうね。封筒に家の住所も入れて置けばよかったかななど、今になって考えて居ます。

昨日の金曜日には式の練習があるとの事でしたが、どんな具合でしたか。又、教会の方達へのお礼もどうしたらよいでしょうね。百人以上の人達となるとこちらからお礼状を出すと云っても大変でしょうし。佐藤さん達はどんな風な式を挙げたのでしょう。教会も違っていたでしょうし、参考にはならないかもしれませんが、相談して見るとよいと思います。
ジーン先生の教会ですから先生に相談して見るのもよいかもしれませんね。いづれにしても遠いし第一風習が全然違うでしょうしどうしたらよいか心配するだけで何もしてやれなくて心苦しく思って居ります。

武夫も勉強の方が中々忙しそうですね。余り無理をせぬ様申して下さい。君代さんも慣れぬ土地で何彼と心配な事もあるでしょうが気を大きく持って体だけは注意して下さい。此の手紙が着く頃は式もすんで旅行に出た頃かな等と思いながら筆を取って居ります。」

☆1965年 春 母典子よりの手紙
今日(四月二十五日)二通便りを受け取りました。結婚後の手紙が来ないとお父さんも毎日心配して居ましたが無事に式もすみました様子に本当に安心しました。荷物も式前着いたそうで何よりでした。通知が間に合わなかったら困るだろうと気をもんで居りましたが、好評だったそうで之も安心しました。何分遠いし様子も解らないので気をもむだけで何もしてやれなくて本当にすまなく思って居ります。
でも百人以上の人達に祝福されて結婚出来たのですから有りがたい事です。両親も心から感謝していると折があったら皆さんに行って下さい。此の手紙が着く頃はアパートに落ち着いて生活できる様になっている事と思います。きっと不自由な事も多いでしょうが仲よくやって行って下さい。二人で力を合せて行けば心細い事もなかろうと信じていますが、体だけは注意して下さい。

東京も花見は終わりましたが、今年は全国的に花もおくれた様ですし、まだ肌寒い日が時々あって油断は出来ません。てる子さん(義妹)も大分目立って来ましたが、丈夫ですからお産もきっと軽いと思います。忠ちゃん(従兄弟)のところのも大分大きくなりました。貴方達もなるべく早く帰って可愛い子を産んで下さい。私もそれまでは無理をしないで丈夫でいたいと思っています。
先日ボストンのマラソン優勝のニュースが入りテレビで見ましたが、ボストンと聞くとやはりなつかしく感じられます。

君代さんももう大分言葉等も慣れた事と思いますが、異国で働く等と云う事は随分大変でしょうからどうぞ無理をしないで下さい。そればかり心配しています。
写真の来るのを楽しみにして居ります。ドレスもきっと似合った事と思います。訪問着も無事に着いた様ですから大いに利用した方がよいと思います。今度何か送る時は中央郵便局まで出かけた方が仕事が早い様です。あちらですと皆大きな会社等で沢山一度に出す人が多いのでむずかしい事等何も云いませんしきっと早く着くと思います。
では又次便にて
母より」

☆1966年 新年 母典子よりの手紙
「前便もう着きました事と思います。クリスマスも目出度くすんだ事と思います。こちらも正月を目前にして何彼と忙しくなって来ました。
過日お申し越しの成績表、お父さんが学校から送ってくれる様に申しましたが、送料も解らない故こちらから送ってくれる様にと言われたそうで、今日学校から送られて来ました。学校から直接送って貰った方がよかったのではないかと思いますが、一度そちらに送って見ました。幾日ごろまでに出せばよいのでせうか。

 上の学校は幾年位あるのでせう。お父さんも余り長いと子供がおそくなるのではないかと言って居ります。でも君代さんが若いのですからそれは私は余り心配ないと思いますが・・・折角決心して行ったのですから悔いのない様に勉強して来た方がよいでせう。中々子供でも出来たら勉強まではまわらないでせうから・・・

 家でも恵美子も三郎も休みになって何だか家の中が片づかないで困ります。
美喜子は風邪を引いて鼻がつまりお乳がのめなくて困っています。でも随分面白くなり家の者とよその人の区別が出来る様になって、少し人みしりをする様になりました。少しづつ人のまねをする様にもなりました。
では寒さの折、体に気をつけて下さい。早々」