故山田経三神父からのはがき

故山田経三神父からのはがき

 私が上智大学神学部で学んだ期間、埼玉県寄居から練馬関町まで通い、それもペテロ・ネメシェギ神父の個人指導が中心で、他の学生と共に親しく学ぶ経験は、残念ながら極限られていました。
 その中で、断続的でも卒業後も交流が続いたのは、2015年7月26日帰天された山田神父との場合のみでした。一つの理由は、日本クリスチャンカレッジの2年後輩で東京神学大学に進んだ和泉兄が、山田神学生と知り合いで、上智で学ぶようになった時、紹介してくれたのです。
 
 ラテン・アメリカの「解放の神学」の山田神父の翻訳や著書を知リ、一部読みました。しかし、一番印象的であったのは、山田神父が、フイリッピンで日本企業による汚染を告発した話でした。
 沖縄時代、山田神父が学会関係の用事で来沖された際、再会する機会が与えられました。その時、首里福音教会の主日礼拝に出席くださり、素朴な自己紹介の言葉を忘れることが出来ません。
 「カトリックの坊主です、上智大学で経営倫理を教えています」。「経営倫理」、重みのある言葉です。
  山田神父が大学を引退、練馬のイエズス会修道院に住まわれ、私たちが沖縄から関東へ戻った後、文通が重なりました。
 はがきにあるように、山田神父を通して、私の著作集を、世話になった神学部図書館に寄贈でき、感謝でした。

 この数年、ある方の紹介で、カトリック社会問題研究所発行、『福音と社会』の寄贈を受けています。毎月雑誌を手にするたびに、山田神父を思い出します。