敬愛する樋野興夫順天堂大学医学部教授からの活動報告

敬愛する樋野興夫順天堂大学医学部教授からの活動報告

第220回「がん哲学学校」
『われ21世紀の新渡戸とならん』の静かなるブーム到来 〜 哲学の時期 〜

 筆者の講演会に「神谷美恵子」のご親族の方が聴講に来て頂き、お話する機会が与えられた。「神谷美恵子」が勤務していた、ハンセン病施設の長島愛生園に講演に赴き、『神谷美恵子記念がん哲学外来カフェ in 長島愛生園』が開設された。今年、5周年記念講演会が、企画されている。
 筆者は、若き日、『生きがいについて』、『人間をみつめて』、『こころの旅』を、熟読したものである。
 まさに、ドイツの哲学者ショーペンハウアー(1788〜1860)の『青年期には観察力が、老年期には思考力が強く出る。したがって、青年期は詩の時期であり、老年期は哲学の時期である。』を、実感する、今日この頃でもある。

 今朝、ベトナムホーチミン 在住で、『樋野先生の「がん哲学学校」を読む会』を主催している方から「毎週月曜日、樋野先生の がん哲学学校を拝読しています。いつも楽しく拝見しています。時には深刻な問題、感銘を受けるお話しなど、話題の幅が広いので有り難く頂いております。」と、心温まる、励ましの言葉を頂いた。また「樋野先生の軽井沢のご講演に申し込んでいます。家内と伺います。楽しみにしています。」と、書かれていた。本当に嬉しかった。

 海の日(7月17日)、軽井沢町にある「石の教会・内村鑑三記念堂」で、開校 記念公開シンポジウム 『21世紀の軽井沢夏季がん哲学学校 〜内村鑑三新渡戸稲造の楕円形の精神〜』が企画されている。
 内村鑑三の{『商売成功の秘訣』10ヶ条(『われ21世紀の新渡戸とならん』26,27ページ)}が、甦る。
 アメリカ、ドイツへ留学した新渡戸稲造は、1891年米国女性メリー・エルキントンと結婚し帰国した。軽井沢へは、1905年からメリー夫人と訪れ、別荘を設けて避暑生活を楽しんだと言われている。新渡戸稲造は、1918年に開講した「軽井沢通俗夏季大学」の初代学長を務めた。当時、人口500人だった信州の寒村が日本でも有数な避暑地リゾートになった理由が、ここにあるとも言われている。

 筆者は、新渡戸稲造の教え子:河井道が創立した恵泉女学園に続いて、今年度から、1918年に、新渡戸稲造が、初代学長として開学した東京女子大学の理事とのことである。15年前に執筆した『われ21世紀の新渡戸とならん』(2003年発行)が、「静かなるブーム」のようである。これこそ予想外であり、驚きである。