1990年代、沖縄から、日本女子大の新井明先生への手紙 その7

1990年代、沖縄から、日本女子大の新井明先生への手紙 その7

「頌主
 目白のキャンパスでは、すっかり秋の深まりが周囲をおおっている頃と思います。こちら沖縄では、まだ半ソデです。
 
 この度も、『若木』25号をご恵送くださり、感謝します。特に、「ミス・フィンチと伝道義会のこと」、私なりに考えながら読ませて頂きました。どのような素晴らしいもの、たとえ絶対平和主義すら、観念的なものとなってしまい、生ける現実、生ける人間を直視し、直面することを避けるようになってはならない、しかしその危険性がある。矛盾に思われることであっても、生きた具体的な人間と直面し続け、ともに生き続ける道、それこそ受肉者主イエスにより生かされる道、そんなことを改めて教えられました。新井先生が、あえてこの一文を『若木』誌上にお載せになった深い意図を思います。
 
 十月二二日に、引退なさった二人の女性宣教師にお会いするため、上京しました。一九日から二十二日までの期間、幸いなときを持つことができ感謝でした。特に、渡辺清子先生とも久し振りに楽しい、楽しいときを過ごすことができました。ご主人の渡辺公平先生は、文字通り私にとって恩師です。
 
 青梅キリスト教会の主日礼拝にも、十一年振りに出席、宣教の機会を与えられました。青梅キリスト教会のクリスチャン・ホームから巣立った、大倉恵姉のCDを別送いたします。ご笑納ください。また、私の信仰の原点の一つである、中高生時代を特別に記念してくれる書物、『開成とキリスト教』も。

主日礼拝を中心に、小さな歩みを一歩一歩と願っております。
 新井明先生の尊いご研究と教育活動の上に、益々の祝福がありますように。感謝と共に。
 九六年十一月五日 宮村武夫 
新井明先生」