2016年3月29日(火)樋野興夫順天堂大学医学部教授の活動報告

2016年3月29日(火)樋野興夫順天堂大学医学部教授の活動報告

「宮村先生
感謝申し上げます。

樋野興夫

第156回「がん哲学学校」
『志と毎日の実行』〜『目的達成』の基本原理〜

振替休日では、家で、静かに『逆境を超えてゆく者へ』 (新渡戸稲造著:実業之日本社編) を、読み直して見た。
『決心の継続は大事をなす基』の項では、『人の一生は重荷を負うて遠き道をゆくがごとし』(徳川家康)、『急がず、休まず』(ゲーテ)の言葉が、改めて腑に落ちた。
まさに、『志は経糸、日々の実行は緯糸』である。『志と毎日の実行』は、『目的達成』の基本原理であろう。『事が起きた時に活きる知識の蓄積』の項では、『度量と知力を併せ持つ人間の共通点』と、『ひとえに意志の力』とを、再び確認した。読書の大切さを実感する時である。

先日の福岡ホスピスの会公開講座での講演の写真入りの大きな記事『がん哲学外来 全国7千ヶ所に必要』 (九州医事新聞2016年3月20日付け) が、福岡在住の複数の方から送られて来た。感激した。
また、社説「風我」にも紹介されていた。その中に、フロアーからの質問に対しての「人生の最期は、これでおしまいか、もう行きますと別れを告げるかのどちらか。最後まで自分を見捨てず、背後から関心を持ってくれている人の存在が大切」との筆者のコメントが記載されていた。「勝海舟内村鑑三」の死生観「Quality of Death」でもある。

群馬県がん患者団体連絡協議会の方が、面談に来られ、『医療の公武合体』から『医療維新〜患者の全ての必要に応える〜』の時代に向けての夢を、大いに、語った。
ここでは、『勝海舟西郷隆盛坂本龍馬』の時代的意義に関して、さらに『新島襄内村鑑三』を生んだ群馬県の『上毛カルタ』に付いても触れた。

週末の午後、「立川 がん哲学外来 メディカル・カフェ」(Svenson立川サロンに於いて) の開設講演会で、記念講演「がん哲学外来〜自分の人生に潔く専念する〜」をする機会が与えられた。部屋は、満席で、患者、学生も参加され、大変、充実した一時であった。
 まさに、『がん哲学外来 全国7千ヶ所に必要』の『志』を実感する時となった。これが、『医療維新〜患者の全ての必要に応える〜』の『実行』であろう。
 本日は{30年後の医療の姿を考える会 第10回市民公開講座『メディカルタウンの人生の連続性での「いのちの教育」』}(聖路加国際大学講堂に於いて)で、柳田邦男氏(ノンフィクション作家)との面談である。