畏友順天堂大学樋野興夫先生からの便り

宮村先生

感謝申し上げます。
樋野興夫

第93回「がん哲学学校」
人と人の懸け橋となる『ふうけもん』〜偉大なるお節介症候群〜

我が家から見る、悠然とした『雪の富士山』は美しい。まさに『富士見通り』である。「ふるさと出雲大社」に住む、92歳となる母親から、筆者が誕生する年の初夢が『富士山』であったと、幼い時から毎日、聴いて育った。それが、今、筆者が、自宅から『富士山』の見える東京に住むとは、人生不思議である。

我が家には、以前、wifeと筆者の「ふるさと出雲大社」を、散策した時に、購入した『青春』の板礼が壁に掛けてある。そこには、『青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方という。歳を重ねただけで人は老いない、理想を失った時初めて老いる。』と書かれている。「Quality of Death」の基礎修行でもある。

『横浜がん哲学外来・カフェ』の新年会に赴いた。2008年『陣営の外』の街の中に最初に出たのが、『横浜がん哲学外来・カフェ』であった。早7年目になる。継続の大切さと、『同好の士』の心の豊かさを感ずる楽しい新年会であった。

『女性セブン』(小学館、2015年1月22日号、105ページ)に、『「がん哲学外来カフェ」が盛況な理由』の記事が掲載されていた。また、『広がる「がん哲学外来」〜誰もが尊厳持ち生きる〜』(神戸新聞、2014年12月22日付け)、さらに、「がん哲学外来~尊厳持って生き切るために〜」(中国新聞、2015年1月7日付け)の記事が広島在住の姉夫婦から送られてきた。驚きと共に、感激した。

週末の土曜日、定例の「<がん哲学外来>お茶の水メディカル・カフェ in OCC ~New Year Special~」が開催された。新年にふさわしい尺八の演奏があった。まさに、新年にふさわしいカフェであった。終了後、wifeと映画『ふうけもん』の上映会に赴いた。『人と人の懸け橋となるべく奔走した男の実話』とのことである。「便利屋=世間の雑用代行業」とのことで、「便利屋稼業」とは、「庭の手入れ、孤独な老人の話し相手、家族の埋めがたい隙間など様々である」、とのことである。上演に先立ち、「つりバカ日誌」シリーズの「栗山富夫監督」の挨拶もあった。映画には、wifeの知人も、出演していたようである。まさに、「誰もが忘れてしまっている大切なもの」=「偉大なるお節介症候群」である