畏友順天堂大学樋野先生からの便り

初春のお喜びを申し上げます。
昨年中は、いろいろとお世話になり
心よりお礼申し上げます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
平成27年 元旦
樋野興夫

第92回「がん哲学学校」
2015年の始まり〜「家庭哲学」:温かい手・温かい心・温かい笑顔〜

2015年の始まりである。「時の流れの速さ」と「待望」とを感ずる瞬間である。

昨年末は、アメリカ Fox Chase Cancer Center 時代の友人家族との、帰国以来、継続されている23回目の、神楽坂での忘年会に、wifeと参加した。新年には、アメリカ Fox Chase Cancer Center 時代の恩師 Knudson(92歳)夫妻、また、お世話になった London 博士より年賀状を頂いた。早速「巨星が元気でおられるだけで、我々も元気が出ますね。」と Philadelphia にある Pennsylvania 大学で、Knudson 夫妻の友人である先生のもとに留学されていた先生から、メールを頂いた。筆者にとっては、正月は、「ゴミの山の部屋」の大掃除とともに、人生の宝でもある「不思議な人生の邂逅」の原点に立ち返る貴重な時でもある。

筆者は、昨年末の講演会で、聴講者から、会場で、南原繁の『瑠璃柳~南原博遺文追憶集〜』を贈呈された。驚きである。年末の休み中に、『瑠璃柳』を一気に読破した。「南原繁の妻」の「温かい手・温かい心・温かい笑顔」と、「深い教養」には、大いに感服した。ヒルテイーの『幸福論』の引用にも感動した。「世の中で最も健康な生活は、純粋な心と、偉大な思いと、絶えざる有益な仕事を伴った単純な生活である」。若き日の読書が、走馬燈のように駆け巡った。

新年の読書の学びは、「女性は愛されないと尊敬を示さない、男性は尊敬されないと愛を示さない」(エグリッチー)であった。早速、「最近は、逆転のカップルもあるのかと・・」のユーモアあるコメントを頂いた。さらに、「心配は、命の毒である」(新島襄)である。まさに、今年のテーマは、「家庭哲学=自制心・犠牲心・忍耐」と「毒性病理学」の予感がする。年始 (2015年1月2日)に、知人からB4版の分厚い『内村鑑三先生御遺墨帖』(1941年印刷 非売品)が送られてきた。その中に、力強い「義と愛」(1923年1月2日)がある。

1月2日は、横浜の「金沢文庫」での、85歳の叔父、叔母を囲んで恒例の親戚との新年会に、帰国中の息子とwifeと赴いた。帰りは横浜・八景島シーパラダイスに寄った。「ボルチモアのインナーハーバー」が脳裏に懐かしく浮かんだ。