ルカの福音書味読・身読の手引き・その63

「しかし神は、あなたがたの心を」
ルカの福音書16:14−18節
[1]序 
 今朝は比較的短いルカの福音書16章14節から18節の箇所を味わいます。
(1)14−15節と、(2)16−18節の二つの部分に分けて見て行きます。

[2]「しかし、神はあなたがたの心を」(14と15節)
(1)背景、13節までに見る主イエスの教え。
それに対するパリサイ人の反応(14節)。

(2)「人の前で自分を正しいとする」(15節)←→「しかし神は,あなたがの心をご存じです」(15節)。
究極的目標が何かが問われています。
Ⅰサムエル16章7節に見る場合。ルカの福音書を通して、この点が繰り返し明らかにされています(11:39、40、18:9以下)。

(3)しかし人との関係を軽視したり無視しているのではない。
ヨハネ4:20、21「神を愛すると言いながら兄弟を憎んでいるなら、その人は偽り者です。目に見える兄弟を愛していない者に、目に見えない神を愛することはできません。
神を愛する者は、兄弟をも愛すべきです。私たちはこの命令をキリストから受けています。」

[3]神の国の福音は宣べ伝えられ
(1)バプテスマのヨハネの位置、新約時代への最後の道備え。

(2)「神の国の福音は宣べ伝えられ」(4章16節以下参照)。主イエスにより、神の恵みの福音(喜ばしいニュース)が宣べ伝えられています。

(3)「だれもかれも」(16節,14章21節以下など)。

(4)「律法」の確かさ(17節,31節参照)。決して変わることのない旧約聖書により約束されて来た救いの道。

[4]結び 
 聖書を通してご自身の御心を示していてくださる父なる神に応答して行く歩み。
 あの放蕩息子のように、「我に返り」、生活全体を父なる神の下で、ローマ人への手紙12章1、2節で教えられている「心の一新」(2節)と12章3節以下の実際的な勧めに注意。