ルカの福音書身読の手引き・その30

☆沖縄で聖書を、聖書で沖縄を読む。
首里福音教会、その主日礼拝を中心にした営みの報告。

「救いに導く信仰ーあなたの信仰があなたを救ったのですー」
ルカの福音書7章36〜50節

[1]序 
6月最後の主日礼拝,ルカの福音書7章最後の部分を味わいます.まずこの部分全体の流れ・場面の展開をたどり,この箇所で何が中心になっているか見たいのです.

[2]この箇所の流れ・場面の展開.
(1)新しい場面.
①登場人物,「あるパリサイ人」,彼が主イエスを食事に招く.主イエス招きを受ける,36節.

②「ひとりの罪深い女」(37節).
イ.彼女なりの事実の確認,「イエスがパリサイ人の家で食卓に着いておられることを知り」(37節).

ロ.女の行為,「御足」(主イエスの足)と三回繰り返し強調(38節).

③パリサイ人,女の行為を見て心ひそかに思う.パリサイ人の判断,主イエスについての理解に根本的な問題.

(2)主イエスの宣言.
①主イエスとパリサイ人
イ.主イエス,パリサイ人シモンに言いたいこと.
シモン,「先生,お話ください」と承知.

ロ.主イエスのたとえ,41,42節.

ハ.主イエスはシモンに問う.シモンの答え(42節後半,43節).シモン,たとえについては正しい判断.

ニ.女の行為とシモンの行為の対比(44〜46節).
38節に見る女の行為を主イエスご自身が認めてくださる.

ホ.事実判断(44〜46節)から価値判断(47節).
多くの罪が赦されている.なぜならよけい愛している事実のゆえに.44〜46節に見る行為の相違は,愛の程度の違いであり,それは赦されている罪の多少にかかわる.

②主イエス女に対して罪の赦しの宣言.
「あなたの罪は赦されています.」(48節).

③いっしょに食卓にいた人たちの反応.
「罪を赦したりするこの人は,いったいだれだろう」(49節).

④主イエス,女に再び罪の赦しの宣言.
「あなたの信仰があなたを救ったのです.安心して行きなさい」(50節).

[3]この箇所の中心,主イエス罪の救しを宣言
(1)主イエス罪の救しを宣言.
①48節,「あなたの罪は赦されています.」

②50節,「あなたの信仰が,あなたを救ったのです.安心して行きなさい.」

(2)いっしょに食卓にいた人たちの反応.
①「罪を赦したりするこの人はだれか」(49節),神ご自身以外,人の罪を赦すことはできない(マルコ2:1〜12参照).

②主イエスご自身こそ,人の罪を赦すことのできる,真の人となられた真の神.

[4]結び
(1)死からの解放(11〜17節),病や障害からの解放(22,23節)をもたらしてくださるお方であると共に,主イエスは罪の赦しを与えてくださる救い主.

(2)神の国で一番小さい者(この場面に登場する女).
①罪を赦されている喜び.

②主イエスを愛する思い,行為,生活,生涯.

(3)ナインのやもめ,22節にあげられている人々,さらにこの場面に登場する婦人のような人々を含む群れの広がり.

罪の赦しの福音.罪の赦し→神と人との和解,平和.Ⅱコリント5:17〜21,ロマ5:1〜11参照。