ルカの福音書身読の手引き・その6

☆沖縄で聖書を、聖書で沖縄を読む。
首里福音教会、その主日礼拝を中心にした営みの報告。

「布にくるんで、飼葉おけに」
ルカ2章1〜7節

[1]序 
今朝は、2章1節から7節までの有名な記事を味わいましょう。ローマの権力の背景の中で、幼子イエスが誕生されたのです。

[2]皇帝アウグストの勅令
(1)ここに登場する皇帝アウグストとは、最初のローマ皇帝オクタヴィアヌスのこと。彼は、紀元前63年に生まれ、44年ユリウス・カイザルの暗殺と共にカイザルの養子としてローマの権力闘争に参加、紀元前27年から紀元14年までの41年間ローマ皇帝として君臨しました。
 アウグストとは、「尊厳なる者」との意味で、紀元前27年ローマの元老院が彼に贈った尊称。しかし後には、「神」とか「救済者」と属州の人々から呼ばれたと言われます。

(2)住民登録
「全世界の住民登録せよという勅令」。婦人や奴隷を含め、全住民の数を調べようとする目的ははっきりしていました。このようにして各地の実状を正確につかみ、兵を集め軍事的な支配を確立し、また税負担の土台を整え経済的支配を確立するためでした。

(3)ヨセフとマリヤ
 この住民登録の命令は、ローマ遠く離れたガリラヤの町ナザレに住むヨセフやマリヤの生活に大きな影響を与えました。出身地に戻って登録するため、ヨセフは身重のマリヤをともなってユダヤベツレヘムへ旅立つのです。ここに見るヨセフの姿 

[3]主イエスの誕生 
1節から5節に見る、政治的経済的背景の中で、6,7節に主イエスの誕生の事実が簡潔に記されています。
(1)「マリヤは月が満ちて、男子の初子を産んだ」。
 主イエスの誕生そのものの記録は、実に簡潔です。

(2)「布にくるんで、飼葉おけに寝かせた」
 ここにヨセフとマリヤの

(3)「宿屋に彼らのいる場所がなかったからである」
 
[4]結び
(1)神の摂理
 ローマの皇帝アウグストが自らの権力を確立するため。最初のクリスマスも同様今年のクリスマスも、神の摂理の御手に導かれていることを教えられます。。

(2)私たちの心に。
「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった」(ヨハネ1章12節)。