一人へ・一人から『礼拝の生活』再考その116

1973年1月21日
『礼拝の生活』116号

 (巻頭言)「今年の具体的な歩み(二)」 

 前号において考えた執事会、役員会、男子会また教会婦人会の歩みに続いて、他の分会の今年の具体的な歩みについてさらに思い巡らしていきます。
 
しかし、その前に一つのことをはっきりさせておく必要があります。
それは、私たち群全体の具体的な歩みの基盤です。主なる神の語りかけに聞き、聞いたみ声に応答してこの時代に生きる神の民としての基本的な姿勢がいかに重要か。
この基本的姿勢を私たちは自立と協調の面から見てきました(「礼拝の生活」113号)。
 この基点に立ってのみ、具体的な歩みはなされるべきです。そして教会全体の歩みの課程の中で、主なる神に従うひとりびとりの信仰の戦いがなされ、個人的な取り扱いを主なる神から受けて行くのです。

 ですから私たちが今年の具体的な歩みとして考えていることは、単に教会の拡張計画と誤解してはならない。神の民として歴史の流れの中で生きる基本的な姿勢(群全体としても各個人としても)に関わるものと理解すべきです。
 私たちが、食べるにも、飲むのにも、何事をなすのにも、神の栄光をあらわす基本的な使命(Ⅰコリント10章31節)との生きた係わりの中で押し進められるべき具体的な歩みです。
 
 以上のことをはっきりさせた上で、さらに青年会以下それぞれの歩みについて考えます。
 青年会は、1972年度の目標として、青年男子への宣教をあげてきました。
 この目標は、残念ながら実現されていないと率直に認めざるを得ません。この事実は、非常に重大です。私たちの教会の体質と深く係わると考えます。私たちの教会の福音宣教が、真に聖書によって問われ、聖書に基づいて正しくしかも豊かになされているかどうかは、常に重大な課題です。
 同時に、教会がその生かされている時代に向かい、聖書に基づいて根本的な問を問い続けているかどうか。これまた決して疎かされてはならない課題です。今、私たちは、聖書と教会、教会と世界の関係をめぐり教会の体質と姿勢を深く反省すべき時であると確信します。こうした地道な努力を続ける中で、青年会の歩みを続けて行くべきなのです。
 1972年度の目標・青年男子への宣教の課題や1973年度の課題である求道者受け入れ体制の整えを求める困難な歩みの中で、横浜キリスト福音教会との連合修養会が1972年度も実行されたことは感謝でした。

 八王子や甲府でも、それぞれ青年会の動きが目立っています。今後各教会の現実に根ざしつつ、連合青年会の親密な交わりとその中から明確なメッセージに立つ自覚的な歩みがなし続けられて行くように期待し祈りたいのです。
 
 青年会の具体的な歩みを考えると、昨年三人の姉妹が結婚された事実も忘れられません。また今年も結婚されるメンバ−がおられるでしょう。
 ですから1972年の教会全体の中心目標の一つであったキリスト者の家庭の課題は、青年会にとって実に身近な課題です。聖書の結婚観に固く立つキリスト者の家庭が確立しそれぞれの現実の中で、あの小羊の婚姻を目指して戦い進むことこそ、青年会に与えられている栄光ある使命のひとつです。
 また、今年、高校や大学を卒業されるメンバーを中心に考えるならば、1973年の教会全体の目標であるキリスト者の職業観との生きた係わりも大切な課題となってきます。
 
 以上のように、青年会は、今年厳しい道を歩くのです。しかしこれは通らなければならない道です。喜んで、主に励まされて。

☆昨日、過っての青梅キリスト教会青年会の一員からメールを受け取りました。
今は、郷里の長崎県佐世保で中学校英語教師として励んでおられます。

「宮村先生、いかがお過ごしでおられますか。
歓びカタツムリNo15ありがとうございます。
著作集『申命記』、読ませていただいています。
順序良く1ページずつ読む他に、ある同じ個所を何度も繰り返し読んだり、
考えながら読んだり、私にとりましては宮村先生が書かれた書物はD.Elton Truebloodのことばを借りれば、it is not the sort of book that can be dashed off quickly or cheaply(from Foreward of The Celebration of Discipline ), 宮村先生からことばは、そのような注意深さと慎重さを持って読まれ、聞かれるべきものという意識があります(旧約聖書預言者のことば)。
聖書とともに著作集「申命記」を読みつつ、それはshould be ruminated「反 芻されるべき」ことばとして味わわせていただいています。
(昨夜は、夜、声に出して音読していました。妻は洗濯しながら聞いていました。)

実は、宮村先生より著作集「申命記」が届く数日前に、TSUTAYAに、私は同じ本を注文しておりました。その本は、相浦光キリスト教会の教会図書に献本させていただくことになりました(9月30日私より紹介、来週11月11日(日)・・Tさん[70歳]より礼拝で報告するとのこと)。
連絡:伊藤聡先生の赴任先の教会は「篠栗キリスト教会:日本バプテスト連盟」(福岡県)です(ホームページあり)。
現在、広田学校は「職場体験習」を行っています。(11月7,8,9日)。
先生と奥様のご健康と御働きの上に、また教会の上に主の豊かな恵みがありますように、日本の西の端、この佐世保の地よりお祈り申し上げます。
2012年11月9日(金)MF

追伸:先生からのお言葉:署名とともにいただきました著作集『申命記』は、以前いただいた『福音主義教会における牧会』、そしてファイル『礼拝の生活』(30年前〜)ともに、それらは私に与えられた神からの宝と感じております。
大切に丁寧に何度も読み返したいと思っています。ありがとうございました.MF

 そうです。一人の真摯な中学英語教師を通して、幾人の中学生が・・・、感謝。
一人のためなら、どのような注ぎも無駄ではない、過分ではない。
一人からどのような展開も驚きではない。
一人へ、そして一人から、感謝。