今、生ける課題『礼拝の生活』再考その113

1972年12月31日
『礼拝の生活』113号
 
(巻頭言)「クリスマス集会を終えて―この一年の歩みの中で―」
 
 12月24日のクリスマス集会のことを、いろいろ思い起こしています。
自然に、昨年の讃美礼拝と比較するようになり、『礼拝の生活』69号の「讃美礼拝を終えて―今年の恵みと来年への期待―」を読み返しました。ただクリスマス集会だけでなく、この一年の歩みを改めて思い巡らしました。
 
今年の讃美礼拝のテーマ「キリストの誕生と私たちの生涯」は、今、私たちが直面している課題をはっきり示しています。神の恵みを受けた者として、この現実の中で、自分の生涯を通じて、いかに生きるかです。この根本的な課題こそ、各自がまた教会全体が直面している、最も具体的な恵みの呼び掛けです。

統一テーマを中心に各分会ごとに讃美を献げることができ、大きな恵みのときでした。それは同時に、私たちが与えられた責任を自覚し、決心を新しくするときでもあります。
 
『礼拝の生活』69号を読み直し、昨年の讃美礼拝との比較で、特に気付いたことを幾つか上げてみます。
 
昨年の讃美礼拝では、奥多摩から十数名の子供たちが参加したことを特記しています。今年も、14名の子供たちが奥多摩から参加しました。その内7名は昨年も参加した子供たちです。この一年、奥多摩の集会が犬塚ご夫妻を中心に、いろいろな困難の中で守られてきたことを、各自が再確認することができました。
また大人の集会も持たれるようになったわけです。目に見える結果はまだはっきりと現れてはいません。

この事態は、小作地方の働きについても全く同じです。「来年の讃美礼拝には、小作地方からの参加者も多く加えられるように」との昨年の期待は、具体的には現実にはなりませんでした。
しかしこの一年、小作地方でも地味な努力が続けられました。ラップ宣教師を中心に、家庭集会、映画伝道やトラクト配布など。
そして奥多摩キャンプ場の働きに専念する田住宣教師の住居も小作地方に与えられ、二月からは子供の集まりが開かれる予定です。来年の讃美礼拝こそ、小作地方からの参加者が加えられるように今から祈り続けたいのです。
 
各分会ごとに、それぞれの年齢を意識して神の恵みに対する応答をなし、またなし続ける決心を新たに。神の家族としての教会の歩みにとって、非常に大きな意味を持つと確信します。そうです。神の家族としてこの時代に生き、信仰の継承を正しく豊かに次の世代になし続けていく使命を再確認できました。

そうした背景の中で、まず交わりの中に与えられている契約の子供たちの存在を、教会全体として常にはっきり重視する必要性を痛感します。
同時に、私たちの教会学校の現状について問われます。
教会学校が真に教会学校として、契約の子供たちに神のことばを正しく、豊かに教える備えをなしているだろうか。
この一年の歩みを反省するとき、教会学校こそ教会全体で真剣に直面しなければならない緊急の課題と考えます。
 
中学生クラス、昨年同様に着実な歩みをなしており感謝です。
しかしメンバーの大半が中三であり、来年4月からの歩みこそ、中学クラスがどのように成長していくか問われる困難なしかし重要な課題であると認める必要があります。

高校生会は、逆に今の中三の人々を中心に、どのような再出発をなすか、目の前にある担うべき課題です。
ですから、讃美礼拝において味わった若者への神のことばをあの特別なときだけでなく、これからの歩みの中でどのように受けとめていくか、これこそ祈りの課題です。
 
青年会、この一年に三人のメンバーの結婚式があった事実を改めて感謝しました。
三人の姉妹がそれぞれの嫁ぎ先で、主のあかし人として活躍している恵みの事実を、心から喜びたいのです。
そしてさらに主のために戦い、十字架を担う青年たちが増し加えられるように。
それゆえ、この一年大きな変化のないように見える青年会の歩みが、将来への飛躍のときであると期待します。
 
教会婦人会とともに、今年の新しい讃美のグループとして男子会とシメオン・アンナの会が加えられたことは、特記する価値があります。
「壮年会、シメオン・アンナの会が、来年の讃美礼拝に参加できるように願っています」との昨年からの祈りが、確かに答えられた事実を覚え感謝します。
 
 さて夜のクリスマス映画伝道会、これは私たちにとって新しい経験でした。
「キリストの誕生と私たちの生涯」とのテーマを、教会の内部の事柄としてのみ限定せず、教会外に向って呼びかけることは、キリストの誕生のメッセージにふさわしい営みです。
クリスマス映画会は、私たちが予定していたより少ない人々の参加(約五十人)でした。また方法については種々考えさせられた点がありました。しかし目標そのものは、本来あるべき方向を示していると言えます。
 
⑧キリストの誕生が、他者のために生きるキリスト者の生き方の土台である恵みを讃美しました。その事実を私たちの周囲の人々にも呼びかける機会も持ちました、非常に限られた範囲ではありましたが。

しかし私たちは、さらに大きな呼び掛けを実感します。それは私たちが讃美するように、また私たちが伝えるように、そのように生きる課題です。
生きる全過程の中で神を讃美するのです。生きる全過程の中で神の恵みを伝えるのです。

こう考えてくると、今年の讃美礼拝のテーマ、「キリストの誕生と私たちの生涯」の重さを改めて痛感します。

☆40年後の2012年後、奥多摩には、日本福音キリスト教会連合奥多摩福音キリスト教会、小作台には小作台キリスト教会が、感謝。
では、40年後は。それが、今、生ける課題。祈りの課題。