「ルツの神」読書感想・エステル記味読の手引き

「ルツの神」読書感想・エステル記味読の手引き
2010年7月22日(木)午後8時−9時
                  「沖縄で聖書、聖書で沖縄」の集い
思いがけない経過で、首里福音教会ばかりでなく、日本キリスト福音連合
からも去らなければならない中、私たちが住んでいたアパートで、石川福音教会主催の集いで。

[1]序
(1)「ルツの神」について、参加者各自の読書感想

(2)エステル記味読の一例・出発点として、
1983年3月に、日本女子大の学生から受け取った葉書紹介。
「聖なる主の御名を心より賛美いたします。
 梅の香りがただよい、暖かい陽ざしに春を感じるこのごろですが、
いかがお過ごしでしょうか。
 先生、一年間、本当にありがとうございました。
先生を通して与えられたみことばの一つ一つが心に刻まれ、
エステル記4章14節は、養護を必要とする子どもへのかかわりについての
はっきりしたヴィジョンとして与えられました。
 小さな子どもとのかかわりは、恐れ多い気持ちでもありますが、何かが欠けているこの社会にあって、神様を恐れる者として生かされていることを子どもたちと共に学んでいきたいと思っています。
 今まで多くの方々にささえられてきたことを感謝しつつ。
 先生、ご家族のみなさまの上に主の祝福がありますように。
                 在主M.M.      」
(3)エステル記の大筋
①王妃の交代1章1節−2章23節
②新しい権力者ハマンによる陰謀3章1節−7章10節
ユダヤ人の勝利8章1節−10章3節

②のハマンの陰謀をめぐり
ハマンユダヤ人を憎む3章1節−15節
エステルに対する期待4章1節−17節
エステルの計画5章1節−7章10節


[2]エステル4章14節
エステル4章14節
「4:14 もし、あなたがこのような時に沈黙を守るなら、別の所から、助けと救いがユダヤ人のために起ころう。しかしあなたも、あなたの父の家も滅びよう。あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、この時のためであるかもしれない。」
[この時]の理解
詩篇31篇14節、15節前半
「しかし、【主】よ。私は、あなたに信頼しています。
 私は告白します。
 「あなたこそ私の神です。」
私の時は、御手の中にあります。」
★「時」は、生ける、真の神・愛の交わり三位一体なるお方の御手。
運命などとは全く異なる。
私たちの自分・自己理解の基盤。
聖書に見る時、時間、すぐになどの表現に注意。
カレンダーの活用。あなたは、どんなカレンダーをどのように活用なさっていますか。
参照『愛の業としての説教』中の「一日は千年、千年は一日のごとく」(245頁以下)

[3]エステル記におけるハマンをめぐる課題
(1)反ユダヤ
3章8節
「ハマンはアハシュエロス王に言った。「あなたの王国のすべての州にいる諸民族の間に、散らされて離れ離れになっている一つの民族がいます。彼らの法令は、どの民族のものとも違っていて、彼らは王の法令を守っていません。それで、彼らをそのままにさせておくことは、王のためになりません。」
4章13節
「 モルデカイはエステルに返事を送って言った。『あなたはすべてのユダヤ人から離れて王宮にいるから助かるだろうと考えてはならない。』」
7章3節
「 王妃エステルは答えて言った。『もしも王さまのお許しが得られ、王さまがよろしければ、私の願いを聞き入れて、私にいのちを与え、私の望みを聞き入れて、私の民族にもいのちを与えてください。』」
8章3節
エステルが再び王に告げて、その足もとにひれ伏し、アガグ人ハマンがユダヤ人に対してたくらんだわざわいとそのたくらみを取り除いてくれるように、泣きながら嘆願したので、」

(2)逆転
6章Ⅰ−3節の巧みな役割
7章6節
エステルは答えた。『その迫害する者、その敵は、この悪いハマンです。』ハマンは王と王妃の前で震え上がった。」
7章9,10節
9章1節
「 第十二の月、すなわちアダルの月の十三日、この日に王の命令とその法令が実施された。この日に、ユダヤ人の敵がユダヤ人を征服しようと望んでいたのに、それが一変して、ユダヤ人が自分たちを憎む者たちを征服することとなった。」

(3)復讐
9章5節
ユダヤ人は彼らの敵をみな剣で打ち殺し、虐殺して滅ぼし、自分たちを憎む者を思いのままに処分した。」
9章10節
「すなわち、ハメダタの子で、ユダヤ人を迫害する者ハマンの子十人を虐殺した。しかし、彼らは獲物には手をかけなかった。」
9章25節
「そのことが、王の耳に入ると、王は書簡で命じ、ハマンがユダヤ人に対してたくらんだ悪い計略をハマンの頭上に返し、彼とその子らを柱にかけたからである。」

[4]集中と展開
(1)集中
エステル記に一度も神の御名が直接記述されていない事実の意味
Ⅰコリント10章31節
「こういうわけで、あなたがたは、食べるにも、飲むにも、何をするにも、ただ神の栄光を現すためにしなさい。」

(2)展開
個人的な復讐、民族的な復讐、国家的な復讐。
規範ローマ12章17−20節
「だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。
あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい。
愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。『復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。」
もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです。』」
社会正義、公義
ミカ6章8節
「主はあなたに告げられた。
  人よ。何が良いことなのか。
  【主】は何をあなたに求めておられるのか。
  それは、ただ公義を行い、誠実を愛し、
  へりくだって
  あなたの神とともに歩むことではないか。」