詩篇19篇の味わい その2

詩篇19篇の味わい その2

19篇4節
「で・全土地 響き渡り それらの呼び声

まで・果て・世界の それらのことば

ために・太陽 神は設けられた 幕屋 そこに

新共同訳の訳は、いかのようにすっきりしたもの。
「その響きは 全地に その言葉は世界の果てに向かう
そこに、神は太陽の幕屋を設けられた」

19篇5節
「彼(太陽)は、花婿のように 向かう 部屋から
(出る)
喜ぶ 勇士のように 走路を走る」

新共同訳では、「太陽は、花婿が天蓋(てんがい)から出るように」
太陽は、花婿のように、たとえるなかで、文字どおりに花婿を中心に、部屋(「ねや」、フランシスコ会訳)と訳すのに対して、新共同訳では、太陽に中心をおいて、「天蓋」と意訳している。

19篇7節
「から果て 天の その上るのは

その行き巡るのは 天の果てまで

なにもない まぬがれる その熱
(隠れる)

太陽について
古代世界全般にわたり神として崇められた。特にインド、ゲルマン、エジプトで太陽礼拝が盛ん。
エジプトでは、アメンヘテブ4世(アクナトン)の時代、一種の一神教的太陽礼拝の傾向が生まれるまでになった。
唯一の、生ける、真の神と恵みの契約の中に生かされた、イスラエルの民にとって周囲からの悪しき影響の一つとして、太陽礼拝があった。マナセ王の時代、アッシリアの太陽礼拝が国家的に奨励されるぼどの事態が生じた。参照 列王記21章。その悪影響が取り去られるのは、ヨシア王の手による。参照 列王記23章。
信仰に忠実な聖書記者たちは、太陽を神の創造した業として語る。参照創世記1章14節、詩篇74篇16節、136篇8節、148篇3、5節。