市川治平元大佐(陸士三七・陸大四九)、わが伯父と私  その2③ 終末信仰を身に着け生きるには

市川治平元大佐(陸士三七・陸大四九)、わが伯父と私 
その2③ 終末信仰を身に着け生きるには

 市川伯父が幼年学校か士官学校のいずれで受けた訓練か区別は記憶していません。しかし受けた訓練の内容を鮮明に記憶している訓練の一つがあります。
 それは、夜寝ている間に緊急事態が生じた場合を想定、暗闇の中で軍服を身に着ける訓練です。そうです。軍服の一番下、最後からボタンをかけて上まで行くことを反復くり返し、ボタン全体を暗闇の中で誤りなくはめる方法を身に着けたそうです。
 この話を伯父から聞いた時強い印象を受け、記憶に残っていました。
ところが、それから数十年経過した時点で、この話が聖書の終末信仰を身に着ける神学校教育、神学教育との関連で新しい深い意味を持って来たのです。
 
 60年前私が神学教育の手解きを受けた頃、新約聖書の終末信仰・終末論は、全神学総体の一部として教えられました。確かに重要な教えであっても、全体の一部でした。
 ところが、この半世紀の間に、私の知る小さな範囲でも確かに変化してきました。終末信仰・終末論は、聖書全体と深くかかわり理解され提唱されるようになりました。
 最後の確かな新天新地な希望から全体を見る。最後から、今、ここを見る。それこそ聖書の終末信仰であり、聖書が教える生き方の基盤。
 このような生き方が、真に身に着き、実を結ぶためには、市川伯父が受けた暗闇で軍服を明確に身に着ける教育方法が示唆を与えます。
 そうです、最後から、今、ここを見る。最後の新天新地の希望に満たされ、今ここで忍耐し役割を果たしていく。その生き方を身に着けるためには、寝たリ起きたリ日常生活での反復くり返しが重要です。なのだと、市川伯父を懐かしく思い出しながら、今年も2月には、沖縄を訪問、宣教の時をもちます、感謝。