普天間バプテスト教会50周年記念誌 沖縄バプテスト連盟 普天間バプテスト教会 附属緑ヶ丘保育園 「神の恵みと摂理の中で」                                  普天間バプテスト教会                                   牧 師 神谷武宏

普天間バプテスト教会50周年記念誌
沖縄バプテスト連盟 普天間バプテスト教会 附属緑ヶ丘保育園
「神の恵みと摂理の中で」                                  普天間バプテスト教会                                   牧 師 神谷武宏
普天間バプテスト教会は、2008年に教会組織50周年を迎えました。教会の始まりは、一人の信徒(新里 信姉)が普天間から那覇バプテスト教会へ通い続ける信仰から起こされています。当時、故照屋寛範師がそ の信徒のことを見かねて、1955年に普天間での開拓伝道が始められました。翌年伝道所となり、1958年7月、 教会組織をしています。その間、故山路一師、故シュワルツ師、故ボーリンジャー師、国吉守師(現在那覇 バプテスト教会牧師)が教会初期(〜1962年)の頃に働かれています。その後、名護良健師が長く牧会さ れ(〜1995年。※中城城東教会を牧会しながら1997年まで兼牧。現在当教会名誉牧師)、当教会の基礎を つくられました。それは、「歴史を捨象しない」キリスト者の育成であり、≪地の塩、世の光≫としての教 会のあり方であったかと思われます。さらに、藤田久雄師(〜2000年。現在小録バプテスト教会牧師)、 W.T.ランドール師(〜2007年。現在当教会名誉牧師)と引き継がれ、現在に至っています。  「歴史を捨象しない」ということから、少し当教会の特筆すべき出来事に触れさせて頂きます。それは、 70年代後半から80年代にかけて、いわゆる「ランドール宣教師解任問題」が起き、教会内外において激動 の時期をむかえたことです。当時、当教会の協力牧師であったランドール師が、宣教師派遣もとであるアメ リカン・ボードから「米軍との不一致」を理由に宣教師職を解任されたのでした。またこの問題に伴い、同 師の協力牧師留任を許す当教会の責任が問われ、「第30回沖縄バプテスト連盟年次総会」(1983年)にて 連盟除名の討議がなされました。結局、反対者が多く否決されましたが、その後、数名の方が当教会を去る という分裂が起き、悲しく、辛い出来事として歴史に刻まれました。しかし別れていった方々によって新た な教会が生み出されたことは、神の摂理のように思います。この問題は十分に解決したとはいえませんが、 ランドール師の人を恐れず、神を畏れ、平和を愛するキリスト者としての揺ぎ無い信仰は、信徒一人ひとり に大きな示唆を与えたものでした。 現在このような歩みの中で、ミカ書6章8節≪正義を行い、慈しみを愛し、へりくだって神と共に歩む≫ を教会聖句とし、教会の働きとして目指すべき指針であるとしています。それは、「歴史を捨象せず、平和 を脅かす状況に警鐘を鳴らす」という≪地の塩、世の光≫としての役割を教会は担うべきであると考えるか らです。  当教会の50年の歩みは、主の憐みは勿論のこと、多くの方々による働きと祈り、またご支援の賜物であ ります。改めて感謝いたしますと共に、平和なるキリストの宣教に、これからもご一緒に歩んで行きたいと 心から願います。