民数記味読・身読の手引き その6 民数記6章
(1)5章と6章の関係。.
5章が民全体の間での罪の除去と、罪との関係で消極的面を取り上げているのに対して、6章ではナジル人としての聖別と積極的な面を取り上げている。
(2)ナジル人の誓願(1-8節)
①男でも女でも (2節)
②自分の意志で、「身を聖別するため特別な誓いをして、ナジル人の誓願を立てる」(2節)
ナジル人の例、サムソン(士師記13章5節)、サムエル(Ⅰサムエル1章11節)、洗礼者ヨハネ(ルカ1章15節)。
(3)聖別のしるしと三つのことを避ける、3-8節
①「ぶどう酒や強い酒」など、ぶどうの木から生えるすべてのものを 断つ(3,4節)
②「頭にかみそりを当て」(5節)ることを避ける
③「死体」に近づくこと避ける(6-8節)
(4)身を汚された場合のきよめ(9-12節)
①「7日目に」(9節)
②「8日目に」(10,11節)、「罪のためのいけにえ」と「全焼のいけにえ」が 祭司によりささげられ、「死体によって招いた罪について彼のために 贖いをする」
③「あらためて」、12節
(5)ナジル人の誓願の期間が満ちたとき、13-21節
公の場で、第三者がその誓願者を連れて来て(13節)
以上に見るのは、真剣さと献身。この精神は、新約聖書においても、主イエスの贖いの恵みにに対する応答として、ローマ12章1,2節。
(6)祭司の祝福の祈り、22-27節
ナジル人の誓約についての記事に引き続いて、5,6章の信仰共同体の聖別の記事の締めくくりとして、主なる神の祝福について。
①「主」が強調的に三回くり返されている。
②「あなた」が、六回もくり返されている。
③祭司が、主なる神と民の間にあって、祝福を祈る。
ヘブル7章25節。
参照イザヤ2章2-4節、ミカ4章1-5節。