敬愛する畏友・順天堂大学医学部の樋野興夫教授からの報告、その波及

敬愛する畏友・順天堂大学医学部の樋野興夫教授からの報告、その波及

「感謝申し上げます。
今年の夢は、
『軽井沢〜万座温泉 Medical Village 街道」です!
樋野興夫

第208回「がん哲学学校」
悩める人々へ、夢を与える『場所』〜「人生に答える」 〜

春分の日、『信州大学 がん哲学外来 in軽井沢』(軽井沢病院に於いて)に赴いた。信州大学の学長と軽井沢病院長の挨拶で始まり、その後、筆者は、講話の機会が与えられた。それから、『がん哲学外来・カフェ』の時間が持たれ、最後に、信州大学病院長の挨拶で終えた。
極めて、有意義な一時であった。今後も、継続されることであろう。全国から多数の訪問客のある軽井沢には、独特の雰囲気がある。軽井沢は、悩める人々へ、夢を与える『場所』でもあろう。

カフェの後、軽井沢地区の医師、行政、市民の有志の方々と昼食の時を持った。1918年、新渡戸稲造は、軽井沢夏季学校の初代校長となった。来年は、100周年である。100周年記念事業に備えて、運営委員会が立ち上がった。既に、今年の海の日(7月17日)には、『「21世紀軽井沢夏季がん哲学学校」〜内村鑑三新渡戸稲造の楕円形の精神〜』公開シンポジウムが企画されている。軽井沢を、Medical Villageにするのが、筆者の夢でもある。人類の進むべき方向は、「MedicalVillage=1人の人間を癒す為には一つの村」の実現であろう。MedicalVillageで、「がん哲学外来・カフェ」開設は時代的要請となろう。「信州大 軽井沢 がん哲学外来・カフェ in MedicalVillage 」は、{『人生から期待される生き方』の学び}(主婦の友社)と「人生に答える」}の、学習の場でもある。

市民公開講座「第30回腫瘍センターセミナー、第28回がん情報提供の会」で、特別講演「がん哲学外来〜『状況の悪い時こそ明るい面を見よ』〜」(獨協医科大学関湊記念ホールに於いて)が開催された。今後、獨協医科大学でも、「がん哲学外来」が開設されることが、会場で決まった。『速効性と英断』である。

週末、『がん哲学外来 にいはまカフェ』(新居浜に於いて)に参上した。大変有意義なカフェであった。新居浜は、矢内原忠雄が、1917年別子銅山に勤務した地でもあり、筆者にとって、特別な想いがある。医学生の時代、矢内原忠雄の本を、夜を徹して読んだものである。<矢内原忠雄記念『がん哲学外来
にいはまカフェ』>として、継続されることであろう。来年は「坂の上の雲
暖だんカフェ」(主催:四国がんセンター)との合同シンポが企画される予感がする。

第207回「がん哲学学校」
『火の如く現れ、その言炬火の如く燃えたり。』〜「いい人生とは何か」 〜
堺市がん患者と家族の会「よりそい」講演会』(堺市産業振興センターに於いて)で、講演『がんに効く心の処方箋一問一答』(廣済堂出版)する機会が与えられた。会場には、多数の参加者があり有意義な一時であった。帰りは、患者ご夫婦が、新大坂駅まで車で、見送って下さった。『がん哲学カフェ
in あけぼのハウス』(新潟県立がんセンター新潟病院に於いて)で「乳がん患者さんとその家族」を対象に、基調講演「がん哲学外来 〜21世紀のロゴセラピー 〜」をする機会が与えられた。病院長も聴講して頂き感激した。

「ロゴセラピー」は、ナチス強制収容所の経験を綴った名著『夜と霧』の著者である精神科医「ビクトール・フランクル」に由来する。『それでも人生にイエスと言う』と共に、筆者は若き日に、夜を徹して読んで、暗記したものである。「がん哲学外来(言葉の処方箋)=21世紀のロゴセラピー」と、言われる所以でもあろう。

『人間は、「人生から問いかけられている」から「人生に答えなくてはならない」』(『医師による魂の癒し』)から、筆者は、『人生から期待される生き方』(主婦の友社)を出版した。『いい人生は、最期の5年で決まる』(SB新書)の新聞広告が掲載されていた(読売新聞朝刊 2017年3月16日日付け)。記事には『言葉だけで患者に生きる希望を与える「がん哲学外来」を始めた順天堂大学教授の医師が、3000人を超える患者らとの出会いの中で考えた「いい人生とは何か」をまとめた。「変えられないことを悩んでも仕方がない」などの生き方のアドバイスは、がん患者以外にも通ずる内容だ。』と記載されていた。

週末の午前中、講演会『傾聴から対話へ 〜 危機から希望への架け橋 〜』(クラッシュジャパン主催、OCCに於いて)で、『人生から期待される生き方』で、講演をする機会が与えられた。午後は、「町田がん哲学外来カフェ2周年記念講演会」で、講演{『病気は人生の夏休み』(幻冬舎)〜『あなたは
そこにいるだけで 価値ある存在』~(KADOKAWA)}をする機会が与えられた。最近の講演は、拙著のタイトルが多く大変楽になった。筆者が、若き日に熟読した矢内原忠雄の『エリヤ伝』の、『火の如く現れ、その言炬火の如く燃えたり。』が、想い出される日々である。まさに祖父の命名『ひのおきお』である」。