敬愛する、順天堂大学医学部の樋野興夫先生の生まれ故郷に根差し、同時に世界に広がる証の報告

敬愛する、順天堂大学医学部の樋野興夫先生の生まれ故郷に根差し、同時に世界に広がる証の報告

第177回「がん哲学学校」
『大きな目的をもつ』〜 人間は、おのずから成長する 〜

 盆休みに、wifeと帰郷した(鵜峠)。
久しぶりに母(93歳)に逢い、涙なくして語れない! 我が家は、叔父 2人を戦争で亡くしているので、毎年 8月15日の恒例の『鵜鷺地区戦没者慰霊祭』(鵜峠 + 鷺浦=鵜鷺)には招待される。今年は、筆者とwifeで参加した。
実家の庭園にある石碑「花は咲き 実は永劫に 結ぶなれ」(24歳で1944年12月22日 比島 バナイ島西方にて、特攻隊で戦死した筆者の叔父の辞世の句)を見ながら静思した。
 出雲大社の「島根県立古代出雲歴史博物館」の見学、古事記の「因幡の白兎」の物語も再読した。
 筆者の同級生の務める「うさぎ森林公園夢の森うさぎ」と、従兄弟の経営するデイサービス『野いちご』も訪問した。帰郷は『深い知識 & するどい感覚』の再学習でもある。
 村の人たち、Uターン、Iターンの人たちと、wifeと一緒に、盆踊りを楽しんだ。

 翌日、東京からのIターンの方の自宅を訪問して、お茶を飲みながら「鵜鷺 メディカル ビレッジ」構想について、語り合った。

 帰京して、『日本メディカル ヴィレッジ学会』 http://organizationmv.wixsite.com/mysite/dr-hino-column 
理事会が開催された。2016年9月12日『日本メディカル ヴィレッジ学会』第1回公開シンポジウム(栃木青年会館アイリスホールに於いて)の開催が決定された。
 筆者にとっては、「万座・鵜鷺・日光」が、まずは、日本国の「メディカル ヴィレッジ」のモデルである。
 若き日に読んだ、ヒルテイ『幸福論』の「『人間は大きな目的をもつにつれてーーおのずからーー成長する』のである。こうした大きな目的がなければ、教育という人工的温床で人間を造ろうとしても、それは無駄である」が、改めて、脳裏に、明確に浮かんだ 今回の帰郷であった。

 文科省科研費 新学術領域研究「学術研究支援基盤形成」生命科学連携推進協議会 発足記念キックオフシンポジウムに出席した。ボストン(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201203/524182.html )
と 北イタリア (Musicco M, et al. Neurology 2013 81: 322-328) からの「認知症と癌は逆相関」の論文が筆者の頭に甦った。
日本国でも、これを検証する研究プロジェクの立ち上げは、タイムリーなことであろう。
「Quality of Life」vs「Quality of Death」の学びは、「がん哲学外来」の基軸的な命題でもある。