順天堂大学医学部樋野興夫先生の報告、人に焦点を絞り深まりと広まり

順天堂大学医学部樋野興夫先生の報告、人に焦点を絞り深まりと広まり

「宮村先生
感謝申し上げます。
樋野興夫

第164回「がん哲学学校」
『心の向きを変えよ!』〜行動への意識の根源と原動力〜
 平成28年度全国がんプロ協議会総会(慶應義塾大学信濃町キャンパスに於いて)に、アドバイザーとして出席する機会が与えられた。
文部科学省高等教育局の方も出席され、第2期がんプロの成果が発表された。 筆者は、終わりにコメントを求められ、「がんプロ」の意義、第3期がんプロの継続の必要性、真のチーム医療の役割について、さりげなく語った。
 
 「がんプロ」は、医療者の『心の向きを変えよ!』の『場』でもあり、医療維新の『事前の舵取り』となろう。 

新島襄記念がん哲学外来 in 伊勢崎市民病院』開設記念に赴いた。『内村鑑三記念』(群馬県沼田市)、『新渡戸稲造記念』(札幌・盛岡)に続いて、『新島襄記念』が開設されたのは、歴史的快挙であり感慨無量である。

新島襄』と言えば、『行いの美しい人(a person who does handsome)』が想い出される。今後、定期的に開催されるとのことである。
 新島襄 (1843〜1890)—>内村鑑三(1861〜1930)—>新渡戸稲造(1862〜1933)は、筆者にとって、人生の源流であり、南原繁(1889〜1974)−>矢内原忠雄(1893〜1961)->吉田富三(1903〜1973)−>へと大きく流れた。
 菅野晴夫先生、Knudson博士との、出会いでは、「学には限りないことをよく知っていて、新しいことにも、自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力する。」を学んだ。まさに「人生の階段を登り、自分の身長が伸びた」実体験であった。
 すべての始まりは「人材」である。行動への意識の根源と原動力をもち、「はしるべき行程」と「見据える勇気」、そして世界の動向を見極めつつ、高らかに理念を語る『実例と実行』であった。

 土曜日の午後、「<がん哲学外来> 第48回〜第4周年記念スペシャル〜お茶の水メディカル・カフェ in OCC」が開催された。
 今回は、素晴らしい「ソプラノ、ピアノ コンサート」が企画された。多数の参加者があり、カフェも、心和む懇談の一時であった。
 「日本の傷を医す者」(矢内原忠雄: 1893-1961年、1945年12月23日の講演)が蘇った。
1)賢明な寛容さ (the wise patience)
2)行動より大切な静思 (contemplation beyond action)
3)紛争や勝利より大切な理念 (vision beyond conflict and success) の新渡戸稲造の精神を想い出した。まさに、「人間の身体に起こることは、人間社会でも起こる=がん哲学」である。