聖書を重ね読み

 聖書の重ね読み

 日本キリスト教会 府中中河原伝道所の大石周平先生から恵送頂きました。それぞれ大変興味深い五つの論考が掲載されており、うれしくなります。
 その一つ、南純先生による、「カルヴァンの『詩篇註解』における敬虔の修練について」(カルヴァン・改革派神学研究所 講演)は、同書の4分冊の邦訳(1970年−1974年、出村彰先生)を、折に触れ参照して私には、見過ごすことが出来ませんでした。
 
 主題の展開は、以下の通りです。
はじめに
Ⅰ『詩篇註解』について
Ⅱ「敬虔」とはなにか
Ⅲ『詩篇註解」における「敬虔の修練」
まとめ
 Ⅲにおいて、「敬虔」に焦点をあて、11項目にわたる深く幅広い考察がなされた後で、まとめの一文、「しばしばダビデの生涯とカルヴァンの生涯と重なり合って写しだされてくる」(92頁)に心から共感しました。
 この重ね読みの重要性を、聖書解釈の授業で、カルヴァンの同書の序文の文章、
ダビデの全生涯を考える時、彼は一足ごとにわたしに道を示しているように思われる。このことはわたしにとって驚くべき慰めである」(Ⅰ、12頁)。
「(ダビデ)の実例に従っているというのが、私にとって特別大きな慰めであった。そして、他ならぬこの認識と体験が、詩篇を理解するに大いに役立ったのである」」(Ⅰ、15,16頁)を引いて、私も強調し続けました。