高価なな贖いによる罪の赦し・解き放ち、そして笑い

高価なな贖いによる罪の赦し・解き放ち、そして笑い
 
「あなたがたは,代価を払って買い取られたのです.だから,自分の体で神の栄光を現しなさい」( コリント6章20節).
 
 一九五五年三月二二日午後7時過ぎ,高校生の私は,東京都江戸川区の小岩公会堂へ向かっていました.中学生の弟が公会堂に行っているらしい,迎えに行くようにと母から頼まれたからです.
 公会堂には,かなりの人々が集い,集会はすでに始まっており,弟を探し帰れる状況ではなく,成り行きで,話しを聞いたのです.長年中国で宣教師として働かれた方が語る福音の宣教で,万代恒雄先生の通訳を通し聴き入りました.集会は,宣教師宅で礼拝を開始した,日本アッセンブリー教団,小岩基督教会の伝道集会だったのです. 
 
 その夜,キリストに従う一歩を私は踏み出しました.信仰の歩みを始めた私に,万代先生は,「宮村君,君には元手がかかっているんだ.主のためにしっかり働いてもらわなくてはな」と,率直なことばで励ましてくださいました.「元手」とは,誕生したばかりの群れが,三日間公会堂を借りるため支払った費用のことです.「そんなに高かったのか」との思いで聞いたことを記憶しています.
 それから四十年.一地域教会の一員として生き,牧師として仕える小さな歩みを,万代先生は喜んでくださり,最後にお会いしたときには,沖縄の離島の一つ伊江島でのキャンプと将来の夢を真実溢れることばで応援してくださいました.先生の前夜式で,ヘブル人への手紙十三章7節を読みながら,あの夜のこと,先生が率直なことばで指し示した,あのパウロのことばをかみしめたのでした.

★高校生時代、秋本幸二少年(現日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド牧師の宇都宮栄光キリスト教会牧師)から、伝道会の最後に手渡された一冊の新約聖書を通して、キリスト信仰に導かれました。マタイの福音書を読み進め、9章22節「イエスふりかえり、女を見て言ひたまふ『娘よ、心安かれ、汝の信仰汝を救へり』女この時より救はれたり」を聞いたのです。
 ささやかな恵みの出来事であり、敬愛する佐藤全弘先生が「聖書のみにすがって生きる」と言って下さった生活・生涯の初めの一歩でした。