2015年6月21日(日)③一人の人間から一人の人間へ、深く豊かな言葉を各地で伝える畏友順天堂大学医学部樋野興夫教授の便り

2015年6月21日(日)③一人の人間から一人の人間へ、深く豊かな言葉を各地で伝える、畏友順天堂大学医学部樋野興夫教授の便り

宮村先生
感謝申し上げます。
樋野興夫

第116回「がん哲学学校」
人工がん創生100周年記念〜意気昂然として、本質を見極める大きなビジョン〜
 筆者は、奈良医学会(奈良県立医科大学に於いて)で、招待講演「人工がん創生100周年〜境遇の感化・形成的刺激・がん哲学〜」の機会が与えられた。
 会場には、学生、医師・コメディカル患者会の方が、多数参加されていた。奈良では、以前にも、「奈良大仏記念 がん哲学外来」、「聖徳太子記念 がん哲学外来」で、参上したことがある。「スケールの大きい、悠々とした」歴史を肌で感ずる。

上田西ロータリークラブ結成 25周年 & 東御ロータリークラブ結成 10周年
記念事業で、記念講演「山極勝三郎博士 人工がん創生 100周年〜がん治療の精神的ケア〜」(上田市)をする機会が与えられた。
 会場は、満席で、熱気に溢れていた。早速、「先生のお話しは大変興味深く、あっという間の講演でした。「『いい覚悟で生きる』も家族で読ませて頂きます。」、「『いい覚悟で生きる』は、完売で、購読希望者があり、本日注文させていただきました。」との心温まるメールを頂いた。
 上田市は、山極勝三郎(1863〜1930)の故郷であり、市民の思いも、「意気昂然」である。 上田市長、東御市長も、参加されていた。

 今度、東御市で、「がん教育」が、小・中・高で、展開される予感がした。翌朝、教育委員長から電話を頂いた。まずは、小学校の先生を対象に「がん教育」のセミナーが企画されることであろう。文科省でも「がんの教育総合支援事業」として、「がん教育」の推進に向けての取り組みが始まっている。学習指導要領改訂(2016年)に向けても検討されることであろう。さらに、島根県の高校からは、全校生徒に「がん教育」の講演会を打診された。本当に、驚きである。

 今秋の第61回日本病理学会秋期特別総会(東京大学 安田講堂)でも、特別講演「山極勝三郎の業績(仮)」(北川知行 公益財団法人がん研究会 がん研究所 名誉所長)が企画されている。
 筆者は、その司会を依頼された。山極勝三郎とは、「類稀な忍耐を持って、日本の独自性を強く主張し、日本の存在を大きく世界に示した」、「段階ごとに辛抱強く、丁寧に仕上げていく、最後に立派に完成する」人物であったと、恩師:菅野晴夫先生から、教わって来たものである。
「本質を見極める、悠々とした、大きなビジョンを持つ人物」の出番であろう。