2015年3月27日(金)③―環境の変化にも私を強くする方

2015年3月27日(金)③「環境の変化にも私を強くする方」

1986年4月に、東京西多摩の青梅キリスト教会から沖縄・首里福音教会へ移った際、月1度 クリスチャン新聞のクラムに書き続けた機会は、沖縄における生活にとって生きることと書くことの融合を求める助けになりました、
そればかりでなく、30年後のクリスチャントゥデイの働きにさえ備えとなった事実を認めざるを得ません、感謝。

1986年(昭和61年)4月20日(日曜日)
季節の窓―環境の変化にも私を強くする方
宮村武夫(沖縄・首里福音教会牧師)

「私は、貧しさの中にいる道を知っており、豊かさの中にいる道を知っています。飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」(ピリピ4:12〜13)

 4月。年度変わりの月、使徒パウロの経験を通し宣言されている、上記の聖書のことばを思い巡らしたいのです。

この4月、人生の大切な段階の歩みを開始したり、節を通過する方々が私たちの周囲に数少なくありません。たとえば、幼稚園や保育園に入園する子供たち。両親や兄弟姉妹など極限られた人々の中で、多くの事柄が自分を中心に展開する家庭。そこから離れ、多数の同年代の子供たちの中へ、一人入って行く。それなりに複雑な人間関係の中で生きるのです。2歳や3歳の子供たちにとって、これはまさに環境の激変です。

小学校入学の場合も、事態は同じ。保育園や幼稚園で集団生活を経験している子供たちが多いとはいえ、小学校入学後は、通信簿に象徴されるように、物差しで測られ評価される競争社会に生き始めるのです。これまた大きな変化です。そして学業を終え、社会生活の現場へ巣立つ数多くの人々。大切な節を通過し、多くの青年方が4月から新しい境遇で生活を始めているわけです。

確かに、私たちは境遇や環境に大きく左右されます。ですから、学校生活から職場へと大きな境遇の変化に直面している方々と共に、「あらゆる境遇に対処する秘訣(ひけつ)を心得ています」、このパウロの宣言にそれぞれなりに注目したいのです。何故なら、学校生活から職場へだけが境遇の変化ではないわけですから。中学校から高校へ、また高校から次の段階へと、同じ学校でも、その違いは無視出来ません。また同じ職場に何年も勤めている方でも、この4月から仕事の内容や責任の度合が違って来ます。この場合表面的な境遇が同じだけに、内面的な違いは更に深い。同じことは、主婦としての役割に専念している方々についても言えます。子供が幼稚園や保育園に入園したり、小学校入学に伴い、表面的には平凡な日常生活の繰り返しの中で、その実内面的には大きな変化が生じている、親離ればかりでなく、子離れの第一歩を、この4月踏み出すのですから。

そうです。パウロに比すべき私たちではありませんが、私たちなりに「あらゆる境遇に対処する秘訣」を必要としています。ですから、パウロの明言に引き付けられるのです。
「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできます」
この道こそ、「あらゆる境遇に対処する秘訣」なのです。視点を変えるとこう言えないでしょうか。境遇の変化、環境の激変は、「私を強くしてくださる方」をさらによく知るため与えられている恵みの機会であると。新しい環境の中で戸惑い、挫折しそうになり、周囲の人々を傷つけてしまう私たちに、「私を強くしてくださる方」、イエス・キリストは、
「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます」と呼び掛けて下さっています。
この恵みの呼び掛けに、病気療養中の中でこの4月からと心に期する所のある方々と共に、こたえることが許されているのです。そして、「になわれて生きる者」として、安らぎと喜びに満たされながら、分を弁え、分を果たして行くのです。記念すべき1986年4月。「私を強くしてくださる方」に従い、この場で前進です。