畏友順天堂大学樋野教授からの連絡  日々の出来事の丁寧な観察〜寺子屋的な文章書きの習慣〜

宮村先生

感謝申し上げます。
では、良いお年をお迎え下さい。

樋野興夫

第91回「がん哲学学校」
日々の出来事の丁寧な観察〜寺子屋的な文章書きの習慣〜

2014年も終わりである。時の経つのを、早く感ずる今日この頃である。先日は、wifeと恒例となった「西武園ゆうえんち」での夜のイルミネーションを参観した。

12月23日天皇誕生日の休日、東京大学医学部附属病院に於いて、「これからの“がん医療”を考えるための公開シンポジウム〜患者が知りたい最先端医療・患者が求める物語と対話の医療〜」が開催された。「がん免疫治療新時代」、「がん治療後の患者のQOL向上に貢献する、スーパーマイクロサージャリー」,「患者と共に生きる医療」、「EBMに基づく、物語と対話の医療の実践」と、「純度の高い専門性と社会的包容力」を備えた講演者の発表は、大変勉強になった。筆者は、「医療の隙間を埋める対話」のタイトルで、講演する機会が与えられた。会場は、多数の参加者があり、大変充実した休日であった。本シンポを企画された今は亡き「山下ちづる」(編集者)さんに感謝申し上げます。

帝京大学(宇都宮キャンパス)理工学部バイオサイエンス学科で、「医学概論」の一般公開の講義『「がん哲学外来」が目指すもの』をする機会が与えられた。
東京、千葉からの一般市民の聴講もあり、学生からの多数の質問もあり、盛況であった。講演に先だって、地元の、介護施設関係者、栃木がんセンターの看護師さんらと「石の蔵」でのランチ・ビュッフェを楽しんだ。講演後は、帝京大学の先生、栃木がんセンターの医師らと、温まる夕食の時を持って帰京した。

週末の午後、埼玉県三郷市訪問看護ステーション主催「がんカフェ@高応寺」で、「陣営の外〜がん哲学外来への道〜」と題して、講演をする時が与えられた。お寺の座敷は、満席で、主催者の意気込みと熱意を肌で感じた。がん患者、市民、学生、生徒が参加しやすい、地域性を活かした、多様性のある「場」は、これからの「がん教育」の「器」の提供として、大切な日本国の課題となろう。

今年の最終の『がん哲学学校』である。毎週1回欠かさない約800字の短い文章書きの行為は、筆者の若き日から教わった訓練である。「日々の出来事の丁寧な観察」は、「寺子屋的な文章書きの習慣」によって、養われることであろう。