キリストと開成、戸田帯刀神父の場合
キリストと開成、戸田帯刀神父の場合
開成高校在学中に、キリスト信仰に導かれた事実から、キリストと一つの高校・開成との関係を成り行き上知るようになっています。
例えば、私の知る限りでも、牧師や聖書を基盤に自らの専門領域で研究・教育をなす人々は、10名を越えています。
さらに興味深いのは、在学中ではなく卒業後、30代になって、キリスト信仰に導かれ、自分の専門分野で活躍している方々の場合です。
そうした現在の状況にとって、大きな励ましとして、戦前の卒業生の足跡があります。その実例は、戸田帯刀神父です。
戸田神父は、1918(大正7)年開成卒。同期生には、戸坂潤、村山知義、
町村金五など。その中で、戸田神父の生涯と信仰・思索は、
圧倒的なメッセージ性をもって、今日の私たちに語りかけて来ます。
1945年8月18日の夕刻、戸田帯刀神父は、カトリック保土ヶ谷教会構内の教区長館で射殺されたのです。当時カトリック横浜教区長でした。
現在、カトリック系の雑誌、『福音と社会』に、元毎日新聞記者・佐々木宏人氏の力作、『封印された殉教』が掲載されています。10月号が25回目で、実に驚くべき細密かつ雄大な記録です。
佐々木宏人氏の連載は単行本として出版される計画がある由。