人生を導き教会生かす、レビ記通読の手引き             レビ記13章

人生を導き教会生かす、レビ記通読の手引き
レビ記13章

(1)13章と14章の密接な関係

13章は診断、事実判断と事実確認。
14章はきよめ、治療。

(2)3節
 新改訳第二版で「らい病」との訳は、第3版では、「ツァラト」、新共同訳では、「重い皮膚病」。ある他の訳では、伝染性皮膚病。  ここに見る皮膚疾患は、現在知られているハンセン病の症状とは異なると専門家の判断。
いずれにしても、「らい病」との訳は不適格。

(3)前後の流れ
13章1節、「ついで【主】はモーセとアロンに告げて仰せられた」。
14章1節、「ついで【主】はモーセに告げて仰せられた」。
14章33節、「ついで【主】はモーセとアロンに告げて仰せられた」。
定まった表現で、新しい課題への言及が始まります。
そして最後の部分に、各部分の要約を提示。
13章59節、「以上は、羊毛あるいは亜麻布の衣服、織物、編物、あるいはすべての皮製品のツァラアトの患部についてのおしえであり、それをきよい、あるいは汚れている、と宣言するためである」。
14章32節、「以上は、ツァラアトの患部のある者で、きよめに要するものを手に入れることのできない者のためのおしえである」。
14章54−56節、「以上は、ツァラアトのあらゆる患部、かいせん、衣服と家のツァラアト、
はれもの、かさぶた、光る斑点についてのおしえである」。

からだの皮膚、織物、家などの表面に問題の出ているものの取り扱い。
定形とも呼ぶべき神経の行き届いた形式で表現されている事実から、ここで取り上げられている事柄が、いかに真剣に考えられ取り扱われているか十分推察できます。

(4)13章の内容
全体を二分
①1-46節 人間
②47-59節 衣服
 
①人間の場合
 初めての発症 1-8節
再発 9-17節
皮膚に腫物 18-23節
やけどのあと 24-28節
頭かひげに疾患 29-37節
皮膚に光る斑点 38,39節
はげ 40-44節
宿営の外に隔離 45-46節

②衣服
種々の衣服とあらわれ 47-49節
調べ 50-58節
可能性 1 50-52節
可能性 2 53-58節
結び 59節、「以上は、羊毛あるいは亜麻布の衣服、織物、編物、あるいはすべての皮製品のツァラアトの患部についてのおしえであり、それをきよい、あるいは汚れている、と宣言するためである」。
 人間と衣類・物との間に、類似点もある。しかし同時に明確な区別。
人格的存在としての人間の尊さを覚えます。

(5)全体として
 祭司の手引きの役割。祭司、専門家としての立場に相応しい訓練。
聖書のある箇所が、夫、妻、親や子など、特定の人に向けて書かれている場合。
①専門的訓練と一人一人の判断。
何かおかしいと気が付くことが大切。はじめにそれに気が付くのは、祭司ではない。日常生活の中で異常に気が付き祭司の所へ。祭司の役割は、調べきよいか汚れているか判断、宣言すること、13章に13回の宣言の例提示。

②事実判断と慎重さ。
 7日間、7日目。一定の期間を費やして慎重に判断。
早期発見の大切さ、経過を見守る。

③旧約の実例
 ミリヤム、民数記12章1-15節、ゲハジ Ⅱ列王記5章26,27節、ウジヤ Ⅱ歴代誌 26章16-21節
上記の実例から、重い皮膚病の人と罪を直ちに結び付ける考えの誤りについては、ヨブ記のヨブの実例が明らかに否定。

参照マタイの福音書8、9章に見る、主イエスの癒し記事の初めにマタイ8章1−4節位置。マタイ10章8節、11章5節。