「人生を導き教会を生かす、レビ記通読の手引き」 レビ記12章

レビ記12章

（１）序
　短い章。レビ記の中でも、あまり読まれてない章と推察されます。いかがでしょうか。
何が書いてあるかは、比較的容易にとらえられます。しかしそれをどう理解すべきかは困難で意を注ぐ必要があります。

（２）文脈。前後の流れ
　11章−16章の聖めについての一連の記事の中で、12章の位置、
特に11章の食物についての記事との深い結びつきを見ます。
　
11章食物について
　創造から・・・すべて聖い、祝福。
　　堕落から・・・罪の現実、その影響。
　　救済・救い・・・荒野の実際生活の中で、何を食べ、何をたべないか。
　　↓
　12章出産について
　　その前提の結婚を、
　　創造から
　　堕落から
救済・救いの三側面から。

（３）12章の内容
①1節 、序、新しい段階・主題の開始。
②2-5節、出産に続く汚れ｡
イ． 2-4節､男子の場合
ロ． 5節､女子の場合
③6-7節前半 出産後のささげもの
④7節後半 要約
⑤8節 貧しい者のために備え、配慮

（４）「汚れる」､2節
出産そのものや子供が汚れとかかわるとは､聖書全体の教えでない｡誤解しないよう注意する必要があります｡
ここでは､出血とのかかわり、参照4、5、7節｡ ここでも血が重視されており、血をめぐるが重視と配慮と考えられます｡
注意　①「汚れ」、「不浄」などを、日本語の一般的な語感に従い読まないように。
　　　②イスラエルの周囲では、偶像礼拝と性的乱れが結びつき、イスラエルにも影響を及ぼす状況でした。そうした現実の中江、性、結婚、出産などについて正しい理解を持ち行動するのは、不可欠。

（５）男子の割礼､3節 参照創世記17章10-14節｡子供を主なる神にささげ、主なる神の民の一員としての歩みを願うのです｡

（６）一定の期間、4,5節｡
7日の期間は､家に｡その期間が終わっても､
子供が男子の場合､33日間→40日間｡
女子の場合､66日間→73日間家に｡

（7）きよめの期間が終わったとき､6,7節｡
全焼のいけにえと罪のためのいけにえ｡
①人間の原罪を認めて､参照祭司の場合､8章33-35節｡
②子供を与えられたことに感謝｡　

注目1､男性と同様､女性もささげものをする責任と特権
注目2､子供が男子であっても､女子であっても同じ｡

（８）貧しい人に対する配慮､8節
レビ記を通じて、繰り返し貧しい人について言及､
1章14-17節
5章7-10節
14章21-22節､30-31節
15章14-15節､29-30節

（９）出産、驚くべきこと。苦しみと危険からの守り。
　　出産において、主なる神の偉大さと自分自身についての自覚。
　　参照イザヤ6章3、5節、「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の【主】。
　　その栄光は全地に満つ」、
「ああ。私は、もうだめだ。
　　私はくちびるの汚れた者で、
　　くちびるの汚れた民の間に住んでいる」｡

（10）子供の誕生、主なる神の祝福
　レビ26章9節
申命記28章11節
詩篇113篇9節､127篇3-5節､128篇3-4節､144篇12-13節｡
　
主イエスご自身、この主産の道を通られたのです。しかもレビ12章8節の貧しい人の立場にたって、ルカ2章22−24節、「さて、モーセの律法による彼らのきよめの期間が満ちたとき、両親は幼子を主にささげるために、エルサレムへ連れて行った。
─それは、主の律法に『母の胎を開く男子の初子は、すべて、主に聖別された者、と呼ばれなければならない』と書いてあるとおりであった─
また、主の律法に『山ばと一つがい、または、家ばとのひな二羽』と定められたところに従って犠牲をささげるためであった」。