沖縄でダニエル書を読む     その7

沖縄で聖書を、聖書で沖縄を読む。
首里福音教会、その主日礼拝を中心にした営みの報告

 「いと高き神の国と主権」

                 ダニエル書4章1〜27節

[1]序
 ダニエル書4章1節から27節。ダニエル書4章の中心主題は、25節後半に明らかに示されています。
「あなたは、いと高き方が人間の国を支配し、その国をみここにかなう者にお与えになることを知るようになります。」

このメッセージは、直接にはネブカデネザル王に語られています。しかし同時にダニエル書を読む者すべての者に宣言されている明確なメッセージ。
この中心的なメッセージをよりはっきり知るため、1節から27節までの流れを大きく見ておきたい。1節から3節までは、ネブカデネザルが彼の支配する全土に書き送る手紙のはじめのことばです(結びのことばは、34節から37節)。4節から8節では、ネブカデネザルが夢を見た時またその直後の情況を描いています。そして9節からは、以下に見るように、夢の報告と解釈です。


[2]夢の報告(9節から18節)
(1)地の中央に木(9節から12節)。

(2)見張りの者(13節から17節)。

見張りの者の言葉、特に17節後半に記されていることから、夢を通しての中心的なメッセージは、実はネブカデネザルにとって明らかであった事実を注意したい。
「それは、いと高き方が人間を支配し、これをみこころにかなう者に与え、また人間の中の最もへりくだった者をその上に立てることを、行ける者が知るためである」(17節後半)。
この中心メッセージは、25節、26節でも繰り返されます。

(3)ネブカデネザルの限界(9節、18節)、しかし問題は
バビロン帝国の王ネブカデネザル、他方捕囚の民の一人に過ぎないダニエル。しかしネブカデネザルはダニエルに対して、「私の見た夢の幻はこうだ。その解き明かしをしてもらいたい」(9節)と自らの限界を認めて、ダニエルに助けを求めています。
また18節でも「あなたはその解き明かしを述べよ。」と繰り返し、「私の国の知者たちはだれも、その解き明かしを私に知らせることができない。しかし、あなたにはできる。あなたには、聖なる神の霊があるからだ」とさえ、付け加えます。 
しかしネブカデネザルの本当の問題は、もっと何か知ることではないのです。知ることなら、彼はすでに知っていたのです。17節の後半を私たちが注意したように、ネブカデネザル自身の夢の中で明らかにされていたのです。「いと高き方が人間の国を支配し」です。
問題は、この明確なメッセージにネブカデネザルは答える意志があるかどうかなのです。知識の問題ではなく、意志の問題です。もっと教えてくれではなく、心を定めること、決心が問われているのです。「いと高き方が人間の国を支配し」ている事実をネブカデネザルはすでにはっきり示されているのです。これ以上の知識ではなく、いと高き神の国と主権を認め、へりくだること。
ネブカデネザルの問題そして私たちの問題も、これです。神の御前にへりくだることを避けるため、解き明かしや知識を求めていないでしょうか。へりくだりを避ける。たかぶりの道に止どまるのです。知識は大切です。しかし意志や決心の代わりにはなれない(ロマ1章19節から31節、そして16節と17節)。

[3]夢の解釈(19節から27節)
19節以下に見る、ダニエルの夢の解釈も、木と見張りを巡り与えられます。そして17節後半ですでに明らかにされている中心メッセージが、25節と26節でより詳しく繰り返されます。
(1)木について(19節から22節)。

(2)見張りについて(23節から26節)。

(3)「それゆえ」(27節)
問題は27節です。25節、26節に明らかにされているように、「いと高き方が人間の国を支配し」、「天が支配する」事実を知ったなら、ネブカデネザルは、その事実に応答して、神から委ねられた使命・王として正しい行いをなし、貧しい者をあわれんで行く使命を果たすべきなのです。
これがへりくだる者の道です。


[4]結び(1)中心メッセージ。
「いと高き方が人間の国を支配する」(17節、25節。

「天が支配する」(26節)、いと高き神の国と主権です。

(2)勧告の中心
神からのメッセージを聞くことは、単なる知識の問題ではない。「それゆえに」なのです。神の主権を知ったなら、そのように生きて行くのです。へりくだる者の道を進むのです。マリヤの賛歌(ルカ1章46節から56節)を私たちの賛美として、讃美歌95番を賛美します。ペテロの勧め(Ⅰペテロ5章5,6節)を心と生活そして生涯も焼き付けていただき、
「どうか、神のご支配が世々に限りなくありますように。アーメン」(Ⅰペテロ5章11節)と祈りつつ、この週の一日一日の歩みを進めましょう。主なる神の驚くべき恵みに答えて。