畏友故教会音楽家・天田繋先生の思い出 その1

畏友故教会音楽家天田繋先生の思い出 その1

 東京キリスト学園での歩みの中心は、1958年4月1学生として歩みを始め出会った恩師方から受けた学恩です。また1969年4月授業を担当するようになり出会った学生方との主にある交わり、現在まで続く年月を越えた恵みです。
 同時に、神学各分野を専攻なさる同僚の方々との様々な対話も、恵みでした。たとえば、畏友故天田繋先生の思い出を今改めて、特に覚えています。音楽について私なりに様々な小さい経験を重ねている中で。

2012年11月26日に天田先生が昇天なさった、その年の6月5日(火)午後2時に、私たちの千葉市川の住居を繋先生が来訪くださり、4時まで、至福の時を持ちました。そうです、脳梗塞の後遺症で歩行の不自由な旧同僚を、鎌ヶ谷から市川まで電車を乗り付いて訪問して下さったのです。
 約束の時間に、家の前の通りに出て、京成国府台駅の方角を見ながら出迎えていると、大きなリックを背負って、明らかにパーキンソンの影響を示す愛の歩行て近づいて来られたのです。リックには、名物のせんべいの飛び切り大きな箱を入れて。
 それからの2時間のすがすがしい不思議な充実感を忘れることができません。長い交流を総括する地上での最後の対話の時であり、同時に死の事実を越えて展開される記憶の中、さらには希望の中での交わりへの備えの時でもありました、感謝。