ユンゲル・モルトマンの『希望の倫理』味読・身読

ユンゲル・モルトマンの『希望の倫理』味読・身読

ちいろば聖書集会、月に一度の、�午後の聖書塾で、ユンゲル・モルトマンの『希望の倫理』ユンゲル・モルトマンの『希望の倫理』を少しずつ味読していきます。

1969年4月、東京キリスト教短期大学で、私が担当した1年生のクラスだった鮫島夫妻、現在、ちいろば聖書集会の中心として労しています。
 1967年4年かの留学を終え帰国後、当時日本語に翻訳された、モルトマンの『希望の神学』を読み、深い感動を覚え、学生方に紹介しました。
 50年後、そうです、半世紀後の今、『希望の倫理』を味読・身読するのです。
 モルトマン先生の注意深い綿密な目次を活用しながら。鮫島兄が打ち込んでくれました。活用します。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1179061185567259&set=a.508715392601845.1073741826.100003901676704&type=3&theater¬if_t=feedback_reaction_generic¬if_id=1528569680720767
希望の倫理  ユルゲン・モルトマン著

目  次

はじめに                                 17

第Ⅰ章  終末論と倫理                          27

緒 論
 1 私は何を望んでよいか?何をなし得るか?――自由な行為        28
 2 私は何を恐れなければならないか?何をなすべきか?――必要な行為   30
 3 祈ることと目覚めていること                     33
   待つことと急ぐこと  35

第1節 黙示録的な終末論
1 ルター派的な二王国論                        38
2 黙示録的な「抑えている者」                     44
3 ハルマゲドン                            49

第2節 キリスト論的な終末論
1 カルヴァン派的な神の国の神学                    53
2 カール・バルトキリスト教的な終末論
3 神の国の政治的な喩え                        58
4 神権政治的な民主主義                        61

第3節 分離主義的な終末論
1 中間考察―イエスは特殊な倫理を教えたか?キリスト教的な倫理は
存在するか?                            63
 2 洗礼派とは誰であったか?                      66
 3 洗礼派は何を信じたか?
 4 洗礼派はどのように生きたか?                    70
 5 「教会」と「世」のポストリベラルな分離――スタンリー・ハワーズ   72

第4節 変革的な終末論
1 最初の手引き                            77
2 終末的なキリスト論                         81
3 変革的な倫理                            85

第Ⅱ章 生命の倫理 89

第1節 生命の文化 91
 1 死のテロ                              91
    a テロリズム  92
    b 威嚇  92
    c 核の自殺計画  94
    d 社会的な貧窮化の傾向  95
   e 生態系における世界滅亡の罠  97
    f 人類の実存的問い――宇宙に「人間原理」はあるか?  100
    g 脅かされる意識  102
 2 生命の福音                104
    a 共観福音書  105
b パウロ  108
    c ヨハネ  109
    d このことから、生命の神学にとって何が帰結するか?  112
 3 生命への愛                             117
    a それでは、生命とは何か?人間の生命とは何か?生命の人間性
     どこに存するか?  117
    b 共同の生命のための政治  122
    c 治安ではなく、正義が平和をつくる  124
    d 無力から共同体へ  126
    e 支配から共同体への方向転換  127
    f 私たちは星屑だ  130

第2節 医療の倫理
 1 判断形成のためのいくつかの基準                  132
 2 生命の誕生                            140
   a 不妊手術による人工授精による妊娠調節  141
   b 受容と中絶  147
   c 胚は人間か?  154
   d 生まれてくる人間生命はどのような尊厳と権利を持つのか?  156

第3節 健康と病気における生命力                    163
   a 生命の人間性のための医学  163
   b 健康とは何か?  167

第4節 死にゆくことと死ぬことの中にある生命力             171
   自殺か、それとも自由死か?  173
   要望による死  175
   積極的・消極的な安楽死  177
   患者のリビングウィル  179

第5節 肉体の復活?                          181
   生命の復活  182
   身体の霊性  184
   身体の演出  186

第Ⅲ章 地球の倫理                       193

第1節 地球の空間において――地球とは何か?              195
  1 ガイア理論                           195
  2 聖書的視点                           199
    a 肥沃な大地  201
    b 大地との神の契約  201
    c 大地の安息日  202
    d 大地の霊  204
    e 大地の輝き  206
    f 大地にどのような未来があるか?  208
  3 「兄弟よ、大地に忠実であれ」                  210

第2節 地球の時間の中で――創造論と進化論               213
  1 始まりにおける創造                       214
  2 継続される創造過程                       216
  3 進化と創発性                          218
  4 生存のための闘争か、それとも生存における協力か?        222
  5 進化論と進歩信仰                        224
  6 義の上に住まう新しい地                     226

第3節 生態系                             227
  1 生態学的な諸学問                        227
  2 生態系の危機                          230
  3 生態学的な神学と霊性                      233
    a 超越的な神の霊の内在  235
    b 万物における神の現臨  237
    c 宇宙的なキリスト論  239
    d 新たな人間学  240
  4 生態系の倫理                          241
    a 生命への畏敬  241
    b 環境倫理  242
    c 共同世界の倫理  243
    d 創造の倫理  245
  5 人間の権利と自然の権利                     246

第4節 地球の倫理                           250
  1 判断形成の基準                         250
    a 「被造物の保護」?  250
    b 自然の保護  253
    c 支配と征服に代わって――住まわせ成長させる  255
    d エコロジカルな生活様式  257
  2 オルタナティブ生活様式                    258
    a 不安と承認  260
    b 身体の知覚  261
    c 諸感覚の復帰  262
    d 時計の時間と生きられた時間  263
    e 簡素な生活――断念か獲得か?  265
    f グローバルに考え、ローカルに食べよ  266
  3 連帯の文化                         268
    a すべての人々にとって十分なものがある  268
    b 人間の自由とは何か?  272
    c 文化の多様性とグローバルな統一文化  275

第Ⅳ章 正義に基づく平和の倫理             277

第1節 判断形成の基準                         280
  1 正義と平等                           280
  2 グローバルな諸問題に直面しての、政治の欠陥           281
  3 倫理はいつも、あまりにも遅く来る?               282
  4 信頼は民主主義的政治の内実か?                 283

第2節 神的な義と人間的な義                      284
  1 「見返りを求める」宗教                     284
    a 神学的な理由  289
    b 道徳的な理由  289
    c キリスト教的な理由  289
  2 帰趨(きすう)連関とカルマ                    290
  3 正義の天秤――分配の正義                    294
  4 正義の太陽――義をもたらす義                  299
  5 被害者と加害者の世界に正義をもたらすこと            302
    a 正義を求める叫び  303
    b 被害者と加害者の世界における神の義  306
  6 正義と権利                           311

第3節 キリスト教における竜殺しと平和づくり              317
  1 力と暴力                            318
  2 平和の天使と竜殺し                       319
  3 聖なる帝国                           321
  4 政治のキリスト教化は長期的にどのような影響をもたらしたか、
    キリスト教の何が政治的になったのか?              323
  5 正しい権力――暴力の独占と抵抗権                325
  6 「正戦」論                           329
     a 開戦法規  329
     b 交戦法規  330
  7 原子爆弾という条件下で?                    332
  8 「武器なしに平和をもたらす」                  335
  9 創造的な愛敵                          338
  10 正義に基づく平和のためのキリスト教的な二重戦略         343

第4節 管理はよいが信頼はもっと良い                 
――「自由な世界」における自由と安全 348
  1 レーニン「信頼は良いが管理はもっと良い」            348
  2 信頼は自由を創る                        353
  3 真理は信頼を創造する                      356
  4 管理から信頼への道                       358

第5節 神の義および人間と市民の権利                  362
  1 人権の発見                           362
  2 個人的で社会的な人権の統合                   365
  3 経済的な人権と自然の生態学的権利との統合            368
  4 人権――インターナショナルか、トランスナショナルか、従属的か? 371
  5 人権と神の義                          375
     a 人権とキリスト教道徳  376
     b 人間の権利と、神による公正な世界に対する希望  378

第Ⅴ章 神への喜び――美的な対位法              381

第1節 安息日――創造の祝祭                      385
第2節 キリストの復活の歓喜                      392
第3節 「そして争いのただ中の平和」                  397


注                                   401

訳者解説 『希望の神学』から『希望の倫理』へ              437

聖書個所索引                              458

人名索引                                463