2007年6月5日JEA総会における、大阪太郎先生講演への応答、その3ーゴードン・フィー先生をめぐってー

2007年6月5日JEA総会における、大阪太郎先生講演への応答、その3ーゴードン・フィー先生をめぐってー
 
 大阪太郎先生がその論文に意を注ぎ、講演の中核としている、ゴードン・フィー先生ついては、幾つか忘れがたい思い出があります。
 最初にゴードン・フィー先生のお名前を最初に耳にしたのは、50年前ゴードンを卒業した後です。あれは、コンウェルとの合同のなる前だったと記憶しています(残念ながら、今確認できないのですが)。
 とにかくゴードン・フィー先生を新約学教授として招聘する案に対して、フィー先生がアッセンブリー・ペンテコステ教会に属するからと反対意見があったとそうです。確かに私の在学中も学生には、幾人もそれも優れたアッセンブリー出身の学生が在学していましたが、教授には一人もいませんでした。
 招聘を望む人々は、ゴードン・フィー先生が本文比評の専門家である事実を強調、その分野での貢献を期待を上げたとのことです。。
 招聘後、本文比評分野は勿論、フィー先生は、新約学の分野全体での活躍を伝え聞いていました。
 こうした実績の積み重ねの背景の中で、何と、アッセンブリー出身のゴードン・コンウェル神学校学長が誕生し、大きな功績を残したのです。

 ゴードン・フィー先生と、一度だけお会いし、親しくお話したことがあります。フィー先生がカナダのリージェントに移られてからのある年のゴードン・コンウェル神学校の卒業式でのことです。フィー先生はご子息の卒業で式に参加、私は旅行中でした。
 フィー先生が若い日に、日本へ宣教師として派遣されることを希望していたが、終末論のある項目で派遣側と一致に至らず、派遣が実現しなかったと聞いていました。しかしアジアへの関心と主には変わらず、リージェントでは、毎年アジアでの授業を行うことが認められている。それがリージェントへ移った一つの理由とか。奥武した予備知識もあって、初対面にもかかわらず幸いな話し合いが出来ました。
 
 ゴードン・フィー先生の著作 Empowering Presense:The Holy Spirit in the Letters of Paulにはお世話になり、深くお知られました。
 当時私が属していた、日本福音キリスト教会連合・JECAには、「カリスマ条項」なるものがありました。これに対して、聖書本来の聖霊ご自身についての教えを学ぶ手引きとして、神学委員会が手引きを用意したのです。委員長としてその役割を果たす中で、『聖霊論の展開』を私なりに書いたのです(宮村武夫著作1『愛の業としての説教』「聖霊論の展開」、77−135頁)。その過程で参照したのが、上記のフィー先生の著作 です。
 同書は、パウロの手紙における聖霊ご自身についての記述箇所の釈義的健闘と共に、それら全体の有機的関係を大切に見ながらの組織的・有機的考察です。それは、『キリスト教綱要』の版を重ねるのと聖書各書の講解を書き続け説教をなし続ける、カルヴァンの営みに通ずると私は理解します。